ファイナンス以外の商品との
クロスセルによりシェア獲得
同社の事業は現在、4つのセグメントで構成されている。1つは、売上比率65%を占めるファイナンス事業だ。自動車を分割購入するためのオートクレジット(自動車ローン)を自動車販売店を通して個人客に提供している。同社は銀行傘下ではない独立系ファイナンス会社であることを強みとし、ファイナンス以外の商品とのクロスセルによってシェアを獲得。オートクレジット市場約4・9兆円における業界3位のシェア約10%を有している。
2つめは、自動車が故障した際の修理を保証する故障保証事業であり、売上比率は21%を占める。オートクレジットと故障保証は、顧客の支払期間に応じて収益を繰延計上するストック型ビジネスのため、景気に左右されにくいのが特徴であり、コロナ禍においても右肩上がりに成長している。
3つめのオートモビリティサービス事業は、2021年3月期から本格始動し、早くも第3の柱に成長した事業だ。自動車の流通に関連するビジネスを展開。加盟店向けに引き揚げ車両の卸販売やソフトウェア販売など自動車に関する専門的なサービスを提供している。売上比率は14%を占める。
「当社はオートクレジット市場において業界3位の位置にいますが、今後は上位企業と競争してシェアを増やすのではなく、私共のファイナンスが自然に使われる環境を作っていくのがこのオートモビリティサービス事業だと考えています。この事業では車両卸売を手掛け、当社側の利益率は約10%弱と低いですが、加盟店である自動車販売店にとっては車両を安く仕入れることができます。加盟店が増えれば、当社のオートローンがより多く使われる環境ができます。ファイナンス機能を核とし、他の領域に広げていけるのは独立系の大きな強みだと考えています」(柴田洋一社長)
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