2025年に飛躍期待 地域創生貢献企業9選

2025年に飛躍期待 地域創生貢献企業9選

 

サーモン養殖で世界の魚食需要に対応
水産業界の垂直統合モデルを構築

2023年9月に、青森の企業で金融機関を除き16年ぶりに東証に新規上場したのが、水産加工やサーモン養殖を手掛けるオカムラ食品工業だ。気候変動の進行や人口減少などにより日本の水産業は衰退産業と言われる中、同社はサーモンを中心とした水産業界の垂直統合モデルを構築し、グローバル規模で事業を拡大。サーモン養殖事業により多くの雇用を生み出しながら、地域社会の活性化にも貢献している。

同社は1971年に創業。2005年にデンマークのサーモン養殖会社を買収し、養殖事業に乗り出した。17年に国内初の大規模生食用サーモン養殖を青森県でスタート。以降、養殖量を増やしながら、サーモンの最大の魅力である色味を重視した品質改善を行い、国内外で支持を得てきた。

海外においては、国内での水産加工業で培った安全安心の品質管理や生産ノウハウをベトナムのパートナー工場やミャンマーの自社工場に移植。シンガポール、マレーシア、台湾では海外卸売事業も展開している。

サーモン養殖量は、22年6月期に1600トン。23年6月期には集中豪雨被害に遭い、1606トンと前期から伸び悩んだが、24年6月期に2692トンと前期比約68%増となった。25年6月期には前期比30%増の3500トンを見込んでいる。


▲青森で大規模生食用サーモン養殖を展開

▲サーモンの最大の魅力である色味を重視した品質改善を行っている

 
24年6月期の実績は、売上高326億6500万円、営業利益25億4800万円。売上高比率は、海外加工34%、海外卸売27%、国内加工23%、養殖16%となった。同社製品はサーモンのほか、イクラ、数の子なども主力となっている。なお、25年6月期は売上高361億1900万円、営業利益32億1200万円とともに過去最高を見込む。

同社の足元(24年11月15日)の株価は4070円。海外における魚食需要拡大を背景としたグローバル戦略が関心を集めてか、上場以降の株価は上昇基調にある。

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