株価上昇額1位は「楽楽精算」のラクス
10年で2万5000円超の値上がり
クラウド事業が成長の柱 導入企業数は延べ3万社超
第1章では、上場当時の初値から現在値までの上昇額をランキングした。1位は、中小企業向けのクラウド型の経費精算や帳票発行などをサポートするシステム「楽楽シリーズ」を手掛けるラクス(3923・P・東京都渋谷区)だ。2015年末の東証マザーズ上場時は初値が3550円だったが、分割を考慮した24年8月の修正株価は2万8608円(実際の株価は1788円、以下略)と、1株当たり2万5000円以上値上がりした計算となる。16年3月期は40億7700万円だった売上高は、24年3月期では384億800万円と10倍近く伸長した。
同社の成長の柱となっているのは、楽楽シリーズを展開するクラウド事業だ。クラウド事業では、同社全体の売上高の80%以上を稼いでいる。
楽楽シリーズの「楽楽精算」「楽楽明細」「楽楽販売」を合算した導入企業数は、16年3月期では累計で延べ1912社だった。それが24年3月期では、累計で延べ3万800件と16倍超に増加。同システムは売り切りのフロー型ではなく、毎月使用料が積みあがっていくストック型となる。10年でのストック売上高比率も90%を超えており、同社が安定的に成長できる一因となっている。
同社の試算では、経費精算システムの市場規模は2521億円。うち、同社が顧客定義とするのは従業員数50~4999人の企業で、市場規模は1310億円だ。市場シェアで見れば、同社は41%と首位に立つ。25年3月期は、売上高483億円、営業利益90億円と過去最高を更新する予定だ。
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