プリント配線板用水溶性防錆剤シェア50% 四国化成ホールディングス 【4099・プライム市場】

「化学品」と「建材」2つの事業領域を展開
30年までに売上高1000億円目指す

香川県丸亀市を本拠地にする四国化成ホールディングスは、化学品と建材の2事業を展開。研究開発力と独自の製造技術に強みがあり、プリント配線板向け水溶性防錆剤など世界トップシェアの製品を複数持つ。2023年1月には、2事業をさらに発展させるため持株会社化しホールディングス体制に移行。30年までに売上高1000億円、営業利益150億円を目指す。
四国化成ホールディングス-渡邊 充範

渡邊 充範(わたなべ みつのり)

社長

1957年生まれ、香川県出身。中央大学文学部卒。1980年四国化成工業入社。2002年経営企画室長。14年取締役執行役員経営企画・秘書統括兼経営企画室長。19年取締役常務執行役員、企画本部長兼事業企画室長。22年取締役常務執行役員、企画事業推進本部長。23年代表取締役社長(現任)。

プリント配線板防錆材で世界一
景観エクステリア製品強み

同社の2023年12月期の売上高は631億1700万円、営業利益は80億1900万円。うち「化学品事業」は売上433億3200万円(前年同一期間比3・5%増※)、セグメント利益63億8100万円(同7・0%減)となった。「建材事業」は売上高187億1200万円(同0・9%増)、セグメント利益15億800万円(同10・4%減)となった。売上比は「化学品事業」が7割、建材事業が3割を占める。

「化学品事業」では、『無機化成品』『有機化成品』『ファインケミカル』の3つのサブセグメントを持つ。
無機化成品ではラジアルタイヤ製造に不可欠な“不溶性硫黄”、化学繊維レーヨンの材料である“二硫化炭素”などを製造販売している。有機化成品では、プールや浄化槽の殺菌消毒剤である“塩素化イソシアヌル酸”を展開。ファインケミカルでは半導体プロセス材料や電子部品向け樹脂硬化剤などの機能材料や、スマートフォンをはじめとする電子機器に使われるプリント配線板向け水溶性防錆剤などの電子化学材料を製造販売する。

化学品事業で扱う製品のうち、不溶性硫黄は世界2位、プリント配線板用水溶性防錆剤は5割のシェアを持ち世界1位だ。
「当社は高度な有機合成技術を基に、半導体製造に必要な材料に注力しています。最先端材料については半導体メーカーとも協業しつつ、具体的な試作案件に進んでいるものもあり、着実に実績につながりつつあります」(渡邊充範社長)

「建材事業」では、左官工法による、内・外装壁材や舗装材、そしてカーポートや門扉などのエクステリア製品を展開する。特に集合住宅や公共施設向けの『景観エクステリア』に強みを持つ。
「公共建築などの大型物件は計画・設計段階から工事、完成までに長い期間がかかります。その上規格品だけでは賄えないことも多い。当社は設計を含む独自の営業体制で、数多く採用されてきました。開発・生産面の柔軟な特注対応力も相まって、今日では景観エクステリア領域の高いノウハウが積み上がってきました。ここは他社の追随を許さないところです」(同氏)

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