2022・2023 IPO厳選47社

2022・2023 IPO厳選47社

【公募割れから株価上昇】
〝小さく生まれて大きく育つか〟事業成長に期待持てる8社

市況好転のアルファパーチェス
業績・配当を上方修正

アルファパーチェス(7115・以下、アルファパー)は、昨年12月26日に株式市場に登場した。公開価格880円に対し、初値は869円。アルファパーチェス7115MRO事業(総売上高比率72%)とFM事業(同28%)が両輪。前者は企業の間接資材需要に対して、コンサルティングを介してモノを提供する(売る)。後者は商業施設の運営・管理の効率化に向けた、コンサルティング&維持・管理・修繕の受託。
上場直後の2022年12月期は「17・0%増収、20・6%営業増益、37・8%最終増益、15円配」。そして今期は「9・5%増収、8・8%の営業減益、3・8%最終減益、3円増配18円配」計画。いささか「大丈夫か」と考えさせられた。しかし、8月14日の中間期開示と同時に上方修正。「12・7%の増収(500億円)、5・5%営業増益(11億円)、7・9%最終増益(7億6000万円)、5円増配20円配」。アルファパーでは修正の理由をこう語った。
「MRO事業では製造業の堅調が持続。オフィスや商業施設の人の流れが回帰。工具から文房具まで需要が想定を上回った。FM事業は小型商業施設の改装案件一巡も、アフターコロナの人流回復やインバウンド需要の回復基調からビジネスホテルやドラッグストア向け大型改装案件が急回復」
株価動向はどうか。時価は1012円(本稿作成時点)、配当利回り1・5%強。今年1月6日に646円で底を入れ、右肩上がりに転じ8月16日の1429円までほぼ右肩上がり。その後の調整場面。それでも初値に比べ22%方上値に立っている。上方修正を「市場環境を読み切れなかった期初の積算のミス」とする向きはあるが、収益動向にフォローの風が吹いているのは事実。1429円奪還をまずはその後の判断基準としたいと捉える。

特集資料

マイクロ波は期待度ピカイチ
株価は公開価格の2倍強

他にもINTLOOP(9556)、ジャパンワランティサポート(7386)なども、「小さく生まれて大きく育つ」期待企業にカウントできる。またパソナの連結対象子会社でテレマーケティングを展開するビーウィズ(9216)なども、そんな1社。だが期待の大きさという視点では、マイクロ波化学(9227)に注視している。「100年変わらなかった化学産業に マイクロ波技術でイノベーションを起こす」が社是。2022年6月24日、公開価格605円に対し初値550円で生まれた。公開直後の23年3月期は「41・2%増収、5900万円の営業黒字、最終黒字7500万円」。今3月期は「51・9%増収、32%営業減益、18・7%最終増益」予想。開発プロジェクト(研究投資)先行の今が、読み取れる。
前期の決算でも「カーボンニュートラル」対応として「マイクロ波を活かしたケミカルリサイクル領域では、プラスチック再生産のプラットフォーム『PLaWave』を積極的に展開し共同開発を複数の化学企業と行っている」としている。
期待度の高さは株価面でも顕著。時価1300円弱と初値比2・4倍強、予想PER258倍強。信用取引倍率は16・20倍。

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