第1四半期営業利益は約44%増
リージャス売却で財務大幅改善
同社は7月に24年2月期第1四半期業績を発表。売上高は31・5%減となったが、営業利益は43・8%増、経常利益は66・4%増(いずれも前年同期比)と大きく伸びた。
これは貸会議室需要の回復に加え、子会社売却により経営体制が筋肉質になったことが奏功している。23年2月、同社はレンタルオフィス事業を展開していた子会社で、381億円の企業価値がある日本リージャスを三菱地所に、また台湾リージャスをIWG Group Holdings Sarlに売却。投資コストの高いレンタルオフィス事業をやめ、売却代金の一部を借入金返済に充てた。これによって有利子負債が大幅に減少。また海外事業からも撤退し、収益を上げやすい財務体質を整えた。
「リージャスを売却したことで売上は3割減りました。しかし営業利益、経常利益はコロナ前を含めても最高水準にあります。特に4月次は過去最高の営業利益になりました。当社は『空間再生流通事業』を謳っています。リージャスを売却したことでオリジナルのビジネスが残り、原点に戻った」(河野貴輝社長)
全国に約240施設を展開
顧客基盤は年間3万社ほど
同社のコア事業は時間貸の貸会議室運営事業だ。不動産を保有せずに賃貸借・業務委託などの契約で物件を仕入れ、会議室や研修場所として貸し出す。国内大企業を中心に年間約3万社の顧客基盤を有するのが強み。同社の売上に占める会議室室料の割合は約5割だ。
収益の源泉は、取り壊しが決まっている物件や、景気後退時に安価で仕入れた物件。会議室として貸すと同時に、オフィス家具や弁当ケータリングなどのサービスで付加収益を得ている。23年2月現在で施設数は合計237、契約面積は約14万坪に及ぶ。
ホテル・宿泊施設もアパホテルのFC事業を含め21施設展開。研修特化型だけでなく、会議室を備えつつ一般客も泊まれる施設も多い。宿泊の売上割合は全体の24%となっている。
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