2期連続で最高業績更新
営業利益は前期比13・4%増
図研は、プリント基板設計用のCAD/CAMシステム(※1)やワイヤーハーネス設計用のシステムなどのソフトウェアを開発、販売している。
現在、関連会社を国内に7社、日本・イギリス・ドイツ・米国の4カ国6カ所に研究開発拠点を持ち、世界14カ国で事業を展開。欧米メーカーが先行する業界で、プリント基板設計用CAD/CAMシステムは国内首位、世界でトップクラスのシェア。車両用ワイヤーハーネス(※2)設計システムでも、世界トップクラスのシェアを有する。
製品分野は大きく4つに分かれる。半導体などの電子部品を搭載したプリント基板(PCB)レイアウトに関わる基板設計ソリューション。回路設計、ワイヤハーネス設計などに関わる回路設計ソリューション。各種情報・データベースの利活用などデータマネジメントを行うITソリューション。各ソリューションのライセンスの保守・アップデート(更新)などを行うクライアントサービスだ。
23年3月期の連結売上高は前期比11・3%増の350億7300万円、営業利益は同13・4%増の44億2800万円。コロナの収束によりともに2期連続で、過去最高を更新した。
売上高の割合は、海外比率が約3割を占めている。事業別の売上高構成比は、基板設計ソリューションが12%、回路設計ソリューションが22%、ITソリューションが24%、クライアントサービスが42%。特にITソリューションが前年から15%伸びた。
「まずは新規ソリューションをリリースして売上げを作っていくことを考えています。それにより結果的に保守・メンテナンスのクライアントサービスが4割、5割近くなる、安定した売上構造が出来上がっていくのです」(勝部迅也社長)
※1 CAD(Computer Aided Design):コンピュータを使用して、製品の設計や製図ができるシステム。
CAM:(Computer Aided Manufacturing)CADなどで作成した形状データをインプットし、工作機械を操作するためのプログラムなどを作成する製造準備のためのシステム
※2 「組電線」のこと。離れた複数の電気ユニットを適切に接続するため、必要な電線の長さや本数を揃えて1つにまとめたもの。人体に例えると「神経」や「血管」とも言える重要な存在。
▲基板設計用CADシステム「CR-8000 Design Force」の実際の画面
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