23年3月期連結業績
売上高432億7100万円
臨床検査には、人から採取した血液や便、尿などの検体を調べる「検体検査」と、人体を直接調べる「生体検査」の大きく2つに分けられる。栄研化学では、前者の検体検査で使われる各種試薬や測定装置を製造・販売する。
2023年3月期の連結業績は、売上高432億7100万円、営業利益74億5700万円。製品セグメントは、便潜血検査用試薬、免疫血清検査用試薬、尿検査用試薬、微生物検査用試薬、遺伝子関連など8つに分類される。
主力製品は主に3つ。1つ目が、売上の約26%を占める便潜血検査用試薬。大腸がんの一次検査(スクリーニング)に用いられ、測定装置の「OCセンサーシリーズ」と専用試薬等を販売する。国内67%と圧倒的なシェアを獲得し、多くの先進国で大腸がんスクリーニングプログラムとして導入されている。
2つ目は売上の約22%を占める免疫血清検査用試薬。免疫検査分野は、検査全体のうち約80%の市場規模があり、その分売上のウエイトも大きい。そして3つ目が、売上の約9・5%の尿検査用試薬。登録商標品の尿検査用試薬紙「ウロペーパー®Ⅲ‘栄研’」は、各種疾患のスクリーニングに使われており、国内約30%のトップシェアを持つ。
取引先は、50床以上の病院や衛生検査所、臨床検査・健診センターなど。健康診断、がん検診、婦人科系検査など各種検診で幅広く採用されており、海外でも高いシェアを
誇る。
「便潜血分野は弊社の製品が世界一です。当社は、便潜血分野では検査する国々で7~8割のシェアを持っています。免疫血清分野は市場こそ大きいですが海外大手の寡占状態です。そのため、当社は便潜血のような特徴を生かした分野に注力していきたい」(納富継宣社長)
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