転用性の高い土地を仕入れ
テナント退去しても他に貸せる
同社のビジネスモデルは、まず土地を取得し、スーパーやドラッグストア、ホスピス、老人ホームなど多岐にわたるテナントと長期の定期借地権設定契約を締結。借地料収入を得る。その後、同社のグループ会社が2016年に設立した「地主プライベートリート投資法人」(以下 地主リート)などへ土地のみを売却し、投資家の資金を運用する。
同社の収益は主に賃貸借地料収入、土地の売却益、地主リートの運用益の三つ。
地主リートは、国内唯一の底地特化型私募リートだ。運用資産は1800億円、分配金利回りは4%程度。同社からの仕入れは全体の約65%だ。
同社の底地の開発実績は累計318件、約4342億円に上る(23年6月末時点)。
土地の仕入れでは転用性を重視する。仮にテナントが撤退しても後継テナントの誘致や、第三者への売却が容易かどうかを見極める。そのため、人口動向や足元商圏、道路付け、周辺環境などを検証し、判断している。
「転用性が高ければテナントがいなくなっても他に貸せます。特定のテナントに依存しなくてよい」(西羅弘文社長)
同社によれば「JINUSHIビジネス」の強みは、以下の点が挙げられるという。
・土地のみに投資するため、建物の建設・所有に係る負担はテナントがもつこと。同社による保守、修繕、改装などの追加投資は不要だ。
・契約期間は20~50年と長期にわたり、平均して30年ほどだ。建物はテナントが投資するため退去リスクが低く、長期安定収益が見込める。
・定期借地権設定契約によりテナントには更地での返還義務がある。更地は流動性が高く、資産価値が下がりにくい。
2022年12月期連結業績は、売上高は498億8700万円(前期比11・2%減)、営業利益は64億1100万円(同17・1%増)で着地した。
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