循環器の低侵襲治療が中心
医療機関支援で売上を拡大
同社は心臓疾患を中心とした低侵襲治療(身体に対する負担の少ない治療法)に用いられる製品や医療機器の販売を展開。カテーテルやステント、ペースメーカーなどの機器を取り扱い、医療機器メーカー約90社、顧客病院は約460施設と取引は数多い。
主力の心筋梗塞や狭心症の治療に使うPCI(虚血性心疾患関連)製品の販売では、国内シェアは約15%で首位に立つ。23年3月期は売上高708億5400万円(前期比6・7%増)となった。成長市場である心臓律動関連(CRS)、心臓血管外科関連(CVS)、大型機器案件の売上が増加した。
同社の販売方法は“富山の薬売り方式”。医療機関に製品を預け、使った分だけを請求する。取扱製品の多くがメーカーからの貸出品で在庫リスクが少ない。外国製品の仕入れは円建てで日本法人から行うため、こちらも為替リスクが低い。
「さまざまな指標の中でも粗利益率を重視しています。利益は取り過ぎても取らな過ぎてもダメ。常日頃から社員に、『自分たちが汗をかいた分が粗利率なんだ』と伝えています。13~15%が適正値だと考えています」(秋沢英海社長)
前述した販売策とともに注力し、利益の源泉となっているのが、「顧客の成長が当社の成長」という考えのもとに展開している、顧客である医療機関の経営支援・集患支援だ。
「循環器は病院にとって大きな収益源です。その部分を的確にテコ入れして、集患できるようにするのは当社の本来の仕事でもあります。その際に生きるのが、これまでの事例。ケーススタディを多く持っている方が強い。言わば情報戦なんです」(同氏)
集患支援の一例を挙げてみる。地域の見込み患者数は、厚生労働省の資料などから算出することができるが、実際の患者数は計算よりも少ないことがある。その場合は理由はなぜかを探り、さまざまな提案を行い解決につなげる。
「例えば講演会の提案やセッティングをします。当社の取扱製品の多くは消耗品です。病院に患者さんが増えないと、当社の商品を使っていただけない。ですので私たちは『顧客の成長が当社の成長』と考えています」(同氏)
有料会員限定
続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。