機械工具業界最後発の問屋がトップへ
「日本の製造業に役立つ」を使命に成長
国内外に拠点96カ所
モノづくりの現場では、作業工具をはじめ、切削工具、測定工具、接着用品、物流機器、安全保護具など、想像以上の副資材を必要とする。トラスコ中山は、これら「プロツール」を、国内外のメーカー3600社から仕入れ、機械工具商、ネット通販企業、ホームセンターなど5600社の得意先に販売している。商品登録アイテム数は700万アイテムに及び、プロツールの専門商社としては、業界トップの売上高を誇る。
同社には4つの販路がある。機械工具商などを通じて工場や建設現場などへ届ける「ファクトリールート」、ネット通販企業を通じて工場や一般消費者へ届ける「eビジネスルート」、ホームセンターやプロショップを通じて一般消費者へ届ける「ホームセンタールート」、そして「海外ルート」だ。
2024年12月期業績は、売上高が2950億2400万円(前期比10%増)、営業利益が199億7800万円(同7・9%増)と、4期連続の増収増益となった。販路別での売上高比率は、ファクトリールートが66・8%、eビジネスルートが23・1%、ホームセンタールートが9・1%、海外ルートが1・0%。ファクトリールートがメインの販路と言えるが、近年はモノタロウやアマゾンなどに販売するeビジネスルートが伸びている。
現在、国内外に96カ所の拠点を構える。そのうち本社が2カ所、国内営業拠点が59カ所、物流拠点が28カ所、海外拠点が7カ所となる。国内では約300台の配達便が配送ルートを巡っている。
カタログ発刊やPB商品も
同社は、1959年に中山哲也社長の父・注次氏が創業した機械工具卸の「中山機工商会」が源流だ。
機械工具業界では最後発の問屋として出発したなか、業界の常識の枠にとらわれない商品構成や、業界内で珍しかった総合カタログの発刊、プライベートブランド商品の開発により売上を伸ばした。80年代には全国に事業所を展開し、ホームセンター業界に進出。89年には株式公開を実現した。
94年に哲也氏が、父から引き継ぎ社長に就任。社名をトラスコ中山に変更した。初の物流センターを九州に開設し、本格的に物流強化を図っていく。そして96年には東証・大証一部への上場を果たした。
哲也氏が社長就任3日目に決めたのが、のちに同社の企業メッセージともなる「がんばれ‼︎日本のモノづくり」だ。以来、その言葉通りに日本の製造業の役に立つことを使命に、顧客の利便性を追求し続けている。
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