構造改革進み業績拡大
既存事業偏重に危機感も
2020年からの中期経営計画で、同社は24年3月期に売上高4000億円、営業利益率15%を目指しスタートした。しかし22年3月期には、売上高4118億円と2年で目標を達成。23年3月期には営業利益率も16%を超え、まさに急成長を続けている。23年3月期は売上高4608億円(前期比11・9%増)、営業利益764億円(前期比24・8%増)で過去最高となった。今期も進捗は良好だ。10月末に発表した24年3月期第2四半期決算と同時に、中間業績及び通期業績の上方修正を発表。今期も過去最高更新を見込んでいる。
業績拡大を牽引するのは、売上の約8割を占めるSPE(半導体製造装置)事業だ。
「お客様といっしょに製品の標準化を進め、以前は製品の10%しか載らなかった自動化ラインに60~70%の製品を載せられるように。これで収益力が高くなったのです」(廣江敏朗社長)
売上の約1割を占めるGA(グラフィックアーツ)事業も堅調だ。
「プリンタの販売と同時にインクなど消耗品のポストセールスも好調。現在、ポストセールスの売上比率は約45%になっています」(同氏)
しかし業績が好調な一方、廣江社長には危機感がある。
「会社が創立した80年前には、印刷が廃れるとは誰も思っていなかった。それを考えると、世界中で生産されているシリコン半導体も今後本当に残っていくか、回路の微細化もどこかで止まるのではないか、と。ゲームチェンジはいきなり始まる。現状が良くても、そこだけに経営資源を置いておくのはリスクだと考えています」(同氏)
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