長期契約締結により
高炉メーカーへ安定供給
日本コークス工業は、製鉄所の高炉の燃料や還元剤として使われるコークスを製造・販売する。1889年創業の国内最大の石炭採掘会社、三井鉱山を起源とし、1950年代後半にコークス事業に参入。2003年から産業再生機構の支援を受けて経営再建を進め、08年から現日本製鉄(当時の社名は新日本製鉄)と住友商事の持分法適用会社となった。
現在、3つの事業を柱に展開。主力の「コークス事業」は売上構成比6割強を占める。原料の石炭(原料炭)を輸入し、自社コークス炉で約1200℃の高温で乾溜(蒸し焼き)する。生成されたコークスは国内の製鉄会社や非鉄金属会社など、海外は東南アジアや中国、インドなどに出荷される。
同社は大手顧客との間に長期契約を締結。変動はあるが、長期的に見てコークス全体量の過半を国内高炉メーカー等の安定顧客に供給する。
「国内の高炉メーカーは製鉄の原料であるコークスを自社で製造し、自給率は高い。ただ、製鉄業は巨大な装置産業なので高炉やコークス炉を定期的にメンテナンスしなくてはならない。そういう時の生産のピークダウンを埋めるため、当社がコークスを安定的に供給するのです」(松岡弘明社長)
第2の柱の「燃料・資源リサイクル事業」は、売上比率約3割を占める。同セグメントのうち燃料販売部門では、石炭や石油コークスを世界各地から調達し安定供給する。一方、資源リサイクル部門では、主に九州地区で廃棄物処理業、石炭灰を中心とした産業廃棄物処理の仲介業を行う。
第3の柱の「総合エンジニアリング事業(化工機事業)」は売上比率約1割を占める。同社の粉体加工技術を活用した粉粒体機器やソリューションを提供している。
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