ヘアカット専門店「QB HOUSE」を運営 キュービーネットホールディングス 【6571・プライム市場】

独自のカットスクールにより人材育成注力
「LESS IS MORE」戦略で支持広げる

キュービーネットホールディングスは、短時間・低価格のヘアカット専門店を中心に国内外に691店舗展開している。2024年6月期の売上収益は247億5700万円、営業利益は21億1500万円となった。同社では、離職率が高いとされる理美容業界の課題に向き合い、独自のスクール制度を整えた上で人材確保・育成に注力。これを源泉に、今後も出店増によって事業スケールを図る。29年までの中期経営計画では、売上収益355億円、営業利益34億円を目指す。
キュービーネットホールディングス-北野 泰男

北野 泰男(きたの やすお)

社長

1969年大阪府生まれ、大阪外国語大学(現大阪大学)卒業後、日本債権信用銀行(現あおぞら銀行)に入行。2005年にキュービーネットに入社し、管理本部長などを経て、09年代表取締役社長に就任(現任)、16年キュービーネットホールディングス代表取締役社長就任(現任)。

ショッピングセンターや駅構内に出店
価格は1350円、10分で仕上げる

同社はヘアカット専門店という業態を、他社に先んじて開拓してきたパイオニア企業だ。国内外で「QB HOUSE」「QB PREMIUM」「FaSS」といったヘアカット専門店を691店舗構える。国内店舗の約6割がショッピングセンター、約3割がJRや私鉄の駅構内といった高稼働エリアに出店している。

「最高の立地は、ショッピングセンターの中にある食品スーパーを出たあたりに店舗があることです。日常的な行動範囲の中にあり、お客様には“空いているから立ち寄ろうかな”と思っていただけます」(北野泰男社長)

ヘアカット専門店市場では売上ナンバーワン、総合理美容を含めた市場全体でも2位となっている。海外ではシンガポール、台湾、香港、アメリカに進出しており、23年には利用客の人数が国内外で3億2800万人を超えた。現在は年間で2000万人以上が同社の店舗を利用している。中でもQB HOUSEは国内545店舗、海外117店舗を運営し、売上の大部分を占める。

QB HOUSEでカットにかかる時間は1人約10分で、価格は全国均一1350円だ(※)。支払いは自動券売機での前払いで行い、施術においては、ひげ剃り、シャンプー、ブローなどは行わない。スタイリスト(カットを担当する理美容師)の指名制がなく、アシスタント美容師もいない。徹底的に手間を省いたサービスにより、きわめて少人数での店舗出店と低価格を可能にしている。


▲QB HOUSEと一般店の違い

QB HOUSEの始まりは、同社創業者の疑問から生まれた。創業者の小西國義氏は、床屋でのカットにひげ剃りやシャンプー、マッサージがついて、その料金がカット料金に自動的に上乗せされることに疑問を感じた。“自分でできないことだけをやってもらえる専門店を作ろう”と考え、日本初の「ヘアカット専門店」という業態を思いつく。1996年にヘアカットのみのサービスであるQB HOUSEを創業した。創業当時の料金は10分1000円。まったく新しい業態が注目され、2002年には国内100店舗を超える。同年にはシンガポールに初の海外進出を果たした。

※2025年2月1日より、国内の「QB HOUSE」全体にて、サービス価格を1,350円(税込)から1,400円(税込)に改定を予定。

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