創業80周年を迎え新たな未来へ 帝国通信工業 【6763・プライム市場】

抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化

自動車・家電・ゲーム・AV分野を中心に電子部品を提供している帝国通信工業。創業以来80年に渡りエレメント技術を磨き続けてきた同社は、「NOBLE」ブランドとして既存市場から新市場へと業域を拡大してきた。2027年には本社ビル竣工を計画するなど、100年企業に向けて未来図を描いている。

革新を優先した製品開発注力
自動車・家電・ゲーム等幅広く

帝国通信工業 羽生満寿夫社長

同社は、その創業時から製品開発において革新を優先してきた。最先端の通信機器と技術ソリューションの創出では常に最前線に立っている。

1944年8月に産声を上げた同社は、電流の流れを制限・調整する抵抗器を主力とする電子機器メーカーとして成長してきた。同社が得意とするエレメント技術は、いわゆる素子を作る技術で、電流を制限・調整する可変抵抗器・固定抵抗器に始まり、前面操作ブロック(ICB製品)などを経て、各種センサーに展開されている。
顧客の幅広いニーズに応えるべく、設計・開発・アセンブリまで全て自社で一貫対応できる生産体制を確立させているのが同社の強みだ。

同社は当初、軍事用通信機器の製造からスタート。戦後、日本の経済復興と共に、民間用通信機器の開発と製造に注力し、国内市場での地位を確立した。1960年代から1980年代にかけて、同社は技術革新を続け、電子機器や無線通信技術の分野で多くの新製品を発表、同時に海外市場にも進出した。現在では「NOBLE」ブランドとして、中国・台湾・タイ・ベトナムに生産拠点を持っている。

1990年代以降は、デジタル技術とインターネット普及に伴い、同社は携帯電話などのデジタル通信機器や、アミューズメント機器向け製品を開発。事業領域の拡大を図り、新しい市場を開拓した。2000年代以降は、 IoTやAI分野での急激な進化に伴い、高付加価値製品を提供。現在は、医療ヘルスケア分野で新たな事業領域の拡大を目指している。数年後には単独で15~20億円規模にまで拡大させていく計画だ。

 

「サステナビリティを体現する本社」
旧本社ビル2027年目途に建替え

昨年創業80周年という節目を迎え、同社は次なる100年企業へ深化を目指し、大きな武器である研究開発をさらに磨く。その拠点となるのが、2027年度秋頃を目途に竣工する新本社だ。

設計思想を「サステナビリティを体現する本社」と位置付けた同ビルは、現在の本社敷地内で建て替えるもので、建築面積約2000㎡、鉄骨造4階建てで、延床面積は約8200㎡。

「戦力増強×人財投資」「業務効率化×働く環境」「環境対応×BPC」をコンセプトにした新本社は、技術の先端を走り続け、「未来のNOBLEを見据えて、抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」させる梁山泊となる。


新本社ビル(イメージ)

2025年3月期配当について

2024年3月期の1株当たり年間配当金は70円。2025年3月期における配当は1株当たり100円(普通配当70円、記念配当30円)を予定している。


 

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