日本板硝子 【5202・プライム市場】

建築用ガラスを収益改善した手腕で
自動車用の立て直しに挑む

2023年1月、日本板硝子は4月1日付での社長交代を発表した。新たに代表執行役社長兼CEOになったのは、スリーエムジャパン出身の細沼宗浩氏だ。同氏は18年に日本板硝子に入社後、経営企画統括部長として経営計画(現・中期経営計画リバイバル計画24)や事業構造改革プランを企画・策定。21年からは建築ガラス事業部門長として同部門の収益改善を推進してきた実績がある。同氏は社長就任後の最重要ミッションとして、自動車用ガラス事業の業績立て直しを挙げている。
日本板硝子-細沼 宗浩

細沼 宗浩(ほそぬま むねひろ)

代表執行役社長兼CEO

1972年生まれ、埼玉県出身。98年、東京大学大学院修了、日建設計入社。2005年ボストン・コンサルティング・グループ入社。10年、住友スリーエム(現:スリーエムジャパン)に入社し、事業部門で要職を歴任。18年、日本板硝子に経営企画統括部長として入社し、グループの中期経営計画策定及び事業管理に携わる。21年、建築ガラス事業部門長、22年取締役代表執行役副社長兼COO、23年4月取締役代表執行役社長兼CEOに就任(現任)。趣味は週末温泉旅行とF1鑑賞。信条は「いつでも前向きに、ポジティブに」。

建築・自動車用ガラス2事業が95%占める

日本板硝子は、建築用・自動車用・高機能ガラスの3事業を展開するガラスメーカーだ。世界に27基のフロート窯を保有し、100カ国以上で製品を販売している。2006年のピルキントン社(英)買収が転機となり、板ガラスにおける世界最大手の一角となった。

売上の49%(23年3月期第3四半期)を占める建築用ガラス事業の主要製品は、住宅・ビル用ガラスと、薄膜太陽電池パネル用ガラス。同事業は環境への意識の向上に伴い、断熱性能の高い複層ガラス、真空ガラス等による省エネルギーや冷暖房光熱費削減気運が高まり、追い風となっている。売上の46%を占める自動車用ガラスでは、新車用及び補修用ガラスを販売。補修用ガラスの流通・販売数は世界最大級である。売上の5%を占める高機能ガラス事業では、ニッチ市場で世界をリード。ディスプレイに使用される超薄板ガラス、プリンター用レンズ、通信用及び医療用レンズ、自動車エンジン用タイミングベルト部材やガラスフレーク等のガラス繊維を取り扱っている。

有料会員限定

続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。

ログイン SEARCH