売上の9割弱が車両用内装材
高級車用レザーのパイオニア
共和レザーの2024年3月期業績は、売上高が前期比13・6%増の520億3700万円、営業利益は同980・9%増の25億6700万円。売上高の87%を占める車両用内装材をはじめ、住宅・住設用の鋼板・合板用化粧フィルム、ファッション・生活資材用の合成皮革を製造・販売するメーカーだ。
自動車用の内装合成表皮材においては国内で70%のシェアを占めており、長年の主要取引先であるトヨタ自動車をはじめ、多くの国内メーカーの高級ラインで採用されている。国内での実績や品質を評価され、23年には米大手電気自動車や中国BYDとの取引を開始した。
「当社では1951年の自動車用塩ビレザーの生産開始に始まり、長年にわたって自動車内装用表皮材を自動車メーカーと協同で開発してきました。高級車の内装表皮には高耐久・高性能なウレタン合成皮革が使用されていますが、この開発についても弊社が先陣を切って完成させています。強みである材料技術と意匠技術を用いて、自動車メーカーからの厳しい品質要求に応え続け、業界トップシェアを堅持してきました」(花井幹雄社長)
同社では、合成樹脂と適切な添加剤を配合し均一に混合させる混錬分散技術、そして防水・防カビ・抗菌・耐熱といった機能を付与する加工技術の2つの「材料技術」で優位性を持つ。また「意匠技術」においては、世界トレンドをリサーチし、ニーズやコンセプトに合わせた革の色や質感、シボ(革の表面に見られる凹凸状のシワ)のパターンデータをCGで作製。シボロールへレーザー彫刻した後、製品へミクロン単位で高精度転写する技術を持つ。ウレタン合成皮革・塩ビレザー・オレフィン系熱可塑性エラストマーなど、車両内装に使用される多くの製品全てを同一意匠で合わせられるのは、世界中を見ても同社だけの技術である。
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