世界最大級の民間気象情報会社 スマホアプリが売上構成35%占める主力に ウェザーニューズ 【4825・プライム市場】

スマホアプリが伸長 3500万超ダウンロード

ウェザーニューズは、日本を始め50の国と地域にサービスを展開している世界最大級の民間気象情報会社だ。航海・航空・道路・鉄道・放送・エネルギー・スポーツなど、多岐にわたる45市場について、膨大な気象観測データを独自の予測モデルを駆使して解析。企業・自治体・個人に最適な気象情報サービスを提供している。近年、地球温暖化による極端気象で、各地で自然災害が増大。24時間365日変化する気象から中長期的な気候変動対策まで、同社のリスクコミュニケーションサービスに注目が集まっている。

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ウェザーニューズは、創業者の石橋博良氏が、商社で輸入木材の用船を担当していた1970年に起こった海難事故で「船乗りの命を守りたい」という思いから創設。現在、航海(海上・洋上エネルギー・水産など)、航空、陸上(道路・鉄道・防災など)、環境(エネルギー・流通など)、モバイル・インターネット(アプリ・トラベル・減災など)、スポーツ、放送、気候テックの8領域45市場に対し、24時間365日、企業・自治体・生活者向けの気象情報の配信、各種コンサルティングサービスを提供している。

2022年5月期の連結売上高は、前期比4・3%増の196億5000万円、営業利益は同18・8%増の29億400万円。売上高構成比では、法人向けが53%、個人向けが47%とそれぞれほぼ半数。取引先企業(BtoB)の顧客数は2600社を数え、例えば航海気象では年間9800隻の船舶に対して、航空気象では日に1万3000便の飛行機に対し情報を提供している。またウェザーマーチャンダイジング(※)の「流通気象サービス」を他社に先駆けてスタート。国内大手コンビニチェーンの5万7000店、総合スーパー7000店などに対し発注サポートなどを行っている。

前期の増収増益の要因は、コロナの影響があった海運市況の回復が進んだこと、個人(サポーター)向けのモバイル・インターネット気象事業が伸長したことが挙げられる。

モバイル・インターネット気象事業のメインは、09年から開始したスマートフォンアプリ 「ウェザーニュース」だ。気象予報士による動画ニュースから花粉飛散・さくらの開花・ほたるの見頃・紅葉前線などの自然情報、スキー&スノボ・ゴルフ場・釣り場のピンポイント天気など、日々の生活から災害時まで、気象の枠を超えたコンテンツを提供。また一日平均18万通のサポーターから送られるウェザーリポートのプラットフォームともなっている。ダウンロード数は3500万を超える。

「毎月300円(税別)が課金されるサブスク型の有料会員と、無料会員がいます。無料でもアプリ内広告で収益が得られますので、ダウンロードされれば広告収入が拡大するビジネスです。現在、サブスク型の売上割合は6割くらいです」(河合茂IRマネージャー)

同領域は、現在、売上高構成比で約35%を占めて最多となっている。

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