アミタホールディングス 【2195・グロース市場】

資源再生からコンサルまで環境分野を総合サポート 企業や自治体の循環型事業モデル構築を後押し

 アミタホールディングスは、「持続可能社会の実現」をミッションに掲げ、産業廃棄物の100%リサイクルから、環境管理業務のICT化やアウトソーシング、環境課題を解決するコンサルティングなど、環境に係るサービスを一貫して提供している。現在は2025年12月期の連結売上高84億円、営業利益21億円、営業利益率25%を目標に掲げ高収益化を図っている。末次貴英社長に事業内容について聞いた。
アミタホールディングス-末次 貴英

末次 貴英(すえつぐ たかひで)

社長

1981年1月生まれ、福岡県出身。2005年4月アミタ(現アミタサーキュラー)入社。19年同社取締役(現任)、同社取締役執行役員。20年同社代表取締役、アミタホールディングス取締役。23年1月アミタ取締役(現任)。23年3月アミタホールディングス代表取締役社長兼CIOO(現任)。

産業廃棄物を100%リサイクル
独自の調合技術で代替燃料等へ

世界で石炭需要が再び増加している。需要逼迫で価格が高騰する中、各エネルギー企業が注目するのが安価な代替燃料だ。アミタホールディングスは代替燃料を製造する企業として、その一翼を担う。

同社の2022年12月期の連結業績は、売上高48億2400万円、営業利益6億900万円。現在収益の柱が、産業廃棄物の100%リサイクルサービスだ。工場などから出る汚泥、燃え殻、廃液、金属くずなど様々な副産物を原材料として調達し、独自の調合技術により、代替燃料、セメント原燃料、金属原料などの再生資源を製造している。

2022年度は、847事業所から1742種類、17万トン以上の副産物を調達した。調達後は、国内外5カ所の自社製造拠点および4カ所のパートナー工場で受け入れ。その後、原料や燃料の代替品として再資源化され、セメント会社や非鉄金属会社などに納品される。22年度は25の事業所に納品された。

「ウクライナ侵攻の時は石炭価格が高騰しました。そのため国内のマーケットでも石炭に代わるものということで、代替品の需要が大きく伸びました」(末次貴英社長)

100%リサイクルサービスの収益モデルは、副産物の調達時に排出事業者から支払われる処理費と、再生資源の納品先であるユーザー企業に支払う代替品の使用委託料の利鞘で利益を得ている。同サービスの中でも伸長している商材が、北九州や姫路の製造所で行っているシリコンリサイクルだ。半導体の需要拡大に伴い、半導体材料(シリコンウェーハ)の製造過程で発生するシリコンスラリー廃液の発生量が増加。22年度の取扱量は昨対比で約105%となった。

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