食品から宇宙まで4部門展開
非資源特化の安定収益構造
同社の2023年3月期の連結業績は、収益9114億800万円(前期比18・7%増)、営業利益388億9600万円(同32・5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益185億7500万円(同16・2%増)。前期に引き続き増収増益で着地し、営業利益と税引前利益は過去最高を更新した。
部門別の収益構成比は、「電子・デバイス」が31%、「食料」が37・4%、「鉄鋼・素材・プラント」が21・2%、「車両・航空」が8・9%。営業利益の構成比は「電子・デバイス」が52・3%、「鉄鋼・素材・プラント」が31・7%、「食料」が10・5%、「車両・航空」が3・8%。日用的な食品から、先端技術のITや宇宙関連まで幅広い分野で事業を展開する。非資源事業に特化しているため、他の総合商社と比較して資源市況に左右されにくい安定的な収益構造が特徴だ。
足元の業績は、市況上昇を受けた食糧事業や鋼管事業、原油価格の上昇により原油・石油製品の取引高が増加したエネルギー事業を中心にほぼすべての事業において増収となった。特に米国シェールオイル・ガスの鋼管事業は米国内エネルギー投資伸長と鋼管価格上昇により好調に推移したほか、ICTソリューション事業や食糧事業が好調だった。
2024年3月期は、連結収益9600億円(前期比5・3%増)、営業利益405億円(同4・1%増)、税引前利益360億円(同0・9%増)、当期利益235億円(同26・5%増)を予想。達成すれば3期連続の増収増益となり、全ての利益で過去最高を更新する。
「今期は当期利益のジャンプアップを考えています。兼松エレクトロニクスと兼松サステックをTOBで100%子会社化した分がプラスになります。それを除いてもコロナ禍から復活したビジネスもあり、それが一番の増益要因です。総還元性向は30~35%の方針ですが、当社は配当利回りが良いのでそこは維持していきたい。TOBによるネットDERの毀損部分は3年で1・0倍程度にする目標を立てた上で事業投資をしていきます」(宮部佳也社長)
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