協立電機 【6874・スタンダード市場】

FAシステムの開発からメンテまで一気通貫
M&Aによるグループ力強化で独自性磨く

協立電機は、製造業に向けて研究・開発・設計・品質管理などの分野におけるFA(ファクトリー・オートメーション)システムなどを提供する企業だ。ハードウェアの他、顧客ニーズに合わせてソフト開発を手掛けており、サービスの一気通貫(ノンストップ)制の高さを強みとする。これを実現するのは、世界に散らばる23社のグループ会社たち。M&Aを中心に仲間を増やし、グループ力で商圏を拡大させてきた。2024年6月期は、製造業の旺盛な設備投資需要を受けて業績過去最高を更新。追い風を背に、インドやアフリカなど更なる商圏拡大に意欲を見せる。
協立電機-西 信之

西 信之(にし のぶゆき)

社長

1956年8月生まれ。81年東北大学院修了、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。85年協立電機入社。86年取締役、2007年専務。16年代表取締役社長就任(現任)。

製造業の自動化を支援
ユニークな製品群が魅力

静岡地盤の協立電機は、製造業の生産ラインや計測機器、試験装置の開発・製造などを行う会社だ。主な顧客は、自動車や電機、化学、製紙、食品、医薬など多岐にわたる。一方で、電力会社や官公庁向け製品も開発。売上高を顧客別に分けると、93%が製造業、7%が電気・ガス会社または官公庁となる。

同社は「少量多品種生産」、多彩なオリジナル製品を取り揃える。代表的製品の1つが、半導体製造現場で使われる基板検査装置群。プリント基板が設計通り作られているかを画像でチェックする「画像検査」、導通を確認する「ICT検査」、電気特性機能を検査する「FCT検査」、X線を使って電気特性を確認する「3次元X線」などがあり、同分野の国内シェアはトップを誇る。

土木業向けには、トンネルの掘削機「シールドマシン」に取り付ける制御装置を展開。GPSを利用して、掘削機の現在位置や方向などを知らせる。元々は船用のビーコンを応用して開発したもので、発売から30年以上経つロングセラーだ。

また、水道局など向け製品として、水質連続監視装置「ユニレリーフ」を持つ。同製品は、金魚がいる水槽の中に検査対象の水を入れ、金魚の活動状況を監視することで、水質汚染を数値化する。同製品の主要競合は、国内では1社のみとなる。

「研究開発は、顧客の要望や社内の意見を基に、常に何件も走らせています。多様なラインナップは当社の基盤です」(西信之社長)

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