特殊土木から建築まで
アメリカ、アジアも展開
ライト工業は、極めて専門性の高い特殊土木分野で、公共インフラなどの社会資本形成を支えて来たパイオニア的存在だ。東京・千代田区に本社を置き、関東と西日本の2支社、北海道から九州まで7統括支店、全都道府県に営業所を持つ。連結子会社14社、関連会社2社、非連結子会社4社のグループとアメリカ、シンガポール、ベトナムに海外拠点がある。
同社は創業間もなくから、数多くの法面保護・斜面安定・地盤改良・液状化対策・防災等の工事に携わっている。道路や河川、港湾、災害復旧などの公共工事で、国や都道府県、市区町村等から直接受注するケースが約3割。ゼネコン等の民間企業から受注するケースが7割となっている。
時代のニーズや現場の課題に合わせ領域を拡大し、現在、7つの種目を手掛けている。土木分野の「斜面・法面対策工事」は、斜面で発生する落石・崩壊・地滑り等を抑止する防災工事。斜面・法面にモルタルやコンクリートを吹き付けて岩盤の風化や雨水浸透による崩壊を防止する。また、グラウンドアンカーや抑止杭を設置して岩盤節理(割れ目)や亀裂等による地すべりを防止する等の対策を行う。「基礎・地盤改良工事」は、軟弱地盤などに固化材を混合・攪拌することで地盤を強化する。「補修・補強工事」は、トンネルや橋梁などの各種構造物の劣化や損傷に対し、調査・分析結果をもとに、最適な工法を選定し施工する。「環境修復工事」は、土壌や地下水などの汚染状況を解析・評価し、最適な浄化対策を立案、施工する。「一般土木工事」は、道路や上下水道の新設などの工事を行う。
建築事業は、2008年から参入した新たなフィールドだ。マンションやオフィス、商業ビルなどの設計から施工、リニューアルなどを大手デベロッパーから直接請け負って一貫して行う。「事業拡大を考えた時、『建設』という枠組みの中で土木と親和性が高いものを検討し、建築になりました。当時はちょうどリーマンショックの影響で人材が流動化しており、経験のある方に来ていただくことができました。100億円になる事業を目指して、ゼロから始めました」(阿久津和浩社長)
23年3月期の連結売上高は前期比5・0%増の1149億7400万円、営業利益は同3・4%減の127億8500万円。工事種目別の売上高は、構成比で31%を占める斜面・法面対策工事は約365億円、同38%の基礎・地盤改良工事は約445億円。補修・補強工事は約79億円、環境修復工事は約10億円、一般土木工事は約85億円、建築工事は153億円とその他工事6億円となっている。
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