メドピア 【6095・プライム市場】

「IT×リアル×医療」でヘルステック業界を牽引
第二の収益柱をつくり27年度の売上高300億円

メドピアは、国内15万人以上の医師が会員登録する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」を運営。医師・薬剤師向けプラットフォーム事業を柱に、予防医療・医療機関支援の領域でもサービスを展開している。2022年9月期は売上高のトップラインを伸ばしながら、事業拡大に備えた積極的な先行投資を行った。中期経営計画では次の収益柱を創出し、27年度の売上高300億円、EBITDA80億円を目指す。
メドピア-石見 陽

石見 陽(いわみ よう)

代表取締役社長(医師・医学博士)

1974年3月生まれ。99年信州大学医学部卒業、東京女子医科大学病院循環器内科学に入局。研究テーマは血管再生医学。医師として勤務する傍ら、2004年12月メディカル・オブリージュ(現メドピア)を設立。05年代表取締役社長に就任(現任)。07年医師専用コミュニティサイト「Next Doctors(現MedPeer)」を開設。現在も医療の最前線に立つ、現役医師兼経営者。

医療機関支援で新セグメント
先行投資で一時的に減益

同社はこれまで2セグメントで展開していたが、複数の事業が立ち上がったことで、23年度から3つのセグメント区分に変更した。

事業セグメント

1つ目は、基盤事業であり売上の約80%を占める「集合知プラットフォーム」。MedPeerの運営を通じた製薬企業・医療機器メーカー向けのマーケティング支援を行う。2つ目は売上の約15%を占める「予防医療プラットフォーム」。クラウド型健康管理サービス「first call」、特定保健指導支援サービスなど、法人向け及び消費者向けのヘルスケアサービスを展開。そして3つ目が新たにセグメント化された「医療機関支援プラットフォーム」。かかりつけ薬局化支援サービス「kakari」をはじめ、在宅医療事務のアウトソーシングサービスを提供する「クラウドクリニック」、入退院支援サービス「YoriSoi Care」などを運営する。

コロナ禍以降、同社はオンライン診療銘柄として一躍脚光を浴び、株価は一時高値を付けた。だがその後市場の成長は鈍化し、22年9月期の減益予想で流れが変わった。最終的に売上高は過去最高の84億円となったものの、営業利益は前期比約60%の減益で着地した。これについて石見陽社長は次のように話す。
「集合知プラットフォームに関しては利益率が高い従来のビジネスモデルが変化しているわけではない。本格的に次の柱を作っていかないといけないので、そのための人材や事業投資を実行したことにより固定費が上昇したため、一時的に利益率へ跳ね返りました」(石見陽社長)

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