資源金属と産機建機が牽引
原料相場上昇で増収増益
ラサ商事の2023年3月期業績は、売上高296億5600万円(前期比5・3%減)、営業利益28億5300万円(同11・9%増)、経常利益29億8400万円(同6・1%増)、純利益21億1400万円(同5・0%増)となった。利益はいずれも過去最高益を更新した。
同社は6つの事業セグメントを展開しており、特に業績をけん引したのが資源・金属素材関連事業と産機・建機関連事業だ。
資源・金属素材関連事業では、世界的な資源価格の上昇に加え、為替相場の変動も影響し、主力のジルコンサンドを始めとする取り扱い原料の相場価格も上昇したことから増収増益となった。
ジルコンサンドはオーストラリア、南アフリカが2大生産地である天然鉱石。融点が高く硬い等の特性があり、耐火材や半導体・シリコンウェハーの鏡面加工、電子部品の素材など幅広い用途で使用される。オーストラリアの企業と国内の総販売代理店契約を結んでおり、国内シェア50%超と首位を誇る。
産機・建機関連事業では、各種ポンプとセミシールド掘進機などの建設機械を取り扱う。特に産機分野の「スラリーポンプ」は国内トップシェアを争う。固形物が混ざった液体を送ることができる特殊なポンプであり、製鉄、鉱山、電機など幅広い企業に納入実績を持つ。「ウクライナ情勢等を考慮して当初は減収減益の予想を立てましたが、資源関連の高騰や円安の影響、半導体が増産体制に入ったためジルコンサンドの需要が伸びたことなどが寄与しました。ポンプ類も販売、メンテナンスとも堅調でした」(井村周一社長)
欧州の高圧ポンプを提供する環境設備関連事業、合成樹脂・化学品を供給する化成品関連事業も堅調だった。不動産賃貸関連事業は所有する不動産の有効活用により増収増益だった。一方、プラント・設備工事関連事業は大型工事が減少したことなどにより減収減益となった。
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