我が社の戦略 日本甜菜製糖 【2108・プライム市場】

国産てん菜糖生産トップ企業
機能性飼料で世界市場へ進出

日本甜菜(てんさい)製糖は国産ビート糖生産首位、砂糖全体で国内約1割強のシェアを占める。創業から104年の歴史を持つ知られざる老舗企業だ。砂糖事業に留まらず、食品、飼料、農業資材、不動産と多角経営を展開。オリゴ糖の独自機能成分を配合した機能性飼料などで世界進出を図る。
日本甜菜製糖-石栗 秀

石栗 秀(いしくり しゅう)

代表取締役社長

1958年5月生まれ、北海道出身。86年東北大学大学院農学研究科修了後、同年4月日本甜菜製糖入社、2010年食品事業部部長、清水バイオ工場長、12年食品事業部長、14年技術部長、品質保証部長、16年取締役、美幌製糖所長嘱託、18年取締役経営企画室長・関連会社担当部長、20年取締役常務執行役員経営企画室長などを歴任。22年6月日本甜菜製糖代表取締役社長(現任)。

北海道寒冷地農業の振興と国内甘味資源確保に貢献

同社はてん菜を原料としたビート糖の国内生産量トップで4割強のシェアを持つ。砂糖の原料は2種類あり、ひとつはビートやサトウダイコンとも呼ばれているてん菜、もう一つがサトウキビだ。砂糖は人工甘味料と違い、植物に含まれる自然の成分から不純物を取り除き結晶化する。コクと風味が特長だ。砂糖生産量のうちてん菜が占める割合は世界で約20%、日本では30%強。寒冷地で育つてん菜の栽培地は日本では北海道のみだ。
「古来、日本では四国で竹糖を原料とする和三盆などはありましたが、本格的に砂糖文化が広まったのは明治3年にてん菜種子が海外から持ち込まれた折からです。その後、第一次世界大戦勃発により砂糖価格が暴騰します。国内砂糖生産体制の確立と北海道寒冷地農業の振興を目的とした国策から、てん菜栽培がスタートしました。それを担ったのが当社です」(石栗秀社長)

同社は道内の契約農家からてん菜を全量買い上げ製造・販売している。販売先は9割が業務用で食品・飲料・菓子原料として製造に使われる。1割は家庭用である。

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