首都圏の客室稼働率90%弱インバウンド効果で客単向上
同社の主なセグメントは3つ。売上構成比率(2022年通期)は『ワシントンホテル』・『ホテルグレイスリー』の運営を行うWHG事業が47%、『ホテル椿山荘東京』の婚礼・宴会などラグジュアリー&バンケット事業が35%、『箱根小涌園天悠』や『箱根小涌園ユネッサン』などのリゾート事業が13%、ホテル清掃事業を含めた『その他』が5%を占める。 足元の業績は、2023年12月期第1四半期の売上高が前年同期比65・4%増の131億6300万円。営業利益が黒字転換し5300万円となった(前年同期は22億1400万円の損失)。今期上期・通期の業績予想は5月に大幅な上方修正を行った。上期利益は赤字予想から一転黒を見込む。通期の営業利益は前回発表の4億円から8倍超となる37億円、当期純利益は8億円から5倍超の41億円となる見込みだ。「コロナ前と比較し客足は回復しました。インバウンドが追い風になっています。各事業の宿泊部門で客室単価と稼働率が想定以上に増加しました。主力のWHG事業では第1四半期の客室稼働率が全国約85%、首都圏では90%弱、東京の客室平均単価は1万1000円台と順調に上昇しています。中国人客の戻りはまだまだですが、円安の影響もあり欧米からの宿泊客が好調。下期も引き続きインバウンド回復が見込めます」(伊勢宜弘社長)
新型コロナウイルスの影響により、同社は債務超過に陥る寸前だったが、大阪市の宴会場・結婚式場『太閤園』を売却。また政府系金融機関から第三者割当増資によって150億円の資金を調達するなどし、難局を乗り切った。現在はV字回復を図る最中だ。
「ラグジュアリー&バンケット事業を支えるホテル椿山荘が好調です。婚礼件数は減ってきていますが、付加価値を高めて値上げできた。単価も伸びて採算性が向上しています。中規模のパーティーや少人数での接待も件数が戻りつつあります」(同氏)
リゾート事業では今年7月に『箱根ホテル小涌園』がリニューアルオープン。
「箱根ホテル小涌園は今期の売上には半年分ほどしか計上されませんが、夏休みのファミリー向けの集客が跳ねる予想です。
24年度の黒字化を目指している」(同氏)
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