主力2事業が売上5割ずつ
収益力のSSと成長のIA
同社グループはオプテックス・エフエー社など、国内外42社のグループ会社から成る。そのうち開発・製造などを担う主力は8社。傘下のうちオプテックス社が売上高の45%を占める「SS(センシングソリューション)」事業を、4社が同53%を占める「IA(インダストリアルオートメーション)」事業を推進している。
祖業はSS事業であり、主に防犯用センサーと自動ドア用センサーを開発・製造している。同社では世界で初めて遠赤外線を使った自動ドア用センサーを開発。自動ドア用センサーは商業施設・病院・工場・倉庫などで採用されており、国内シェアは50%以上、世界シェアは30%を占める。
また空港・オフィス・発電所などの大型重要施設や海外の高級住宅などで導入されている屋外用侵入検知センサーは世界シェア40%。いずれもグローバルでトップシェアを獲得している。
「SS事業の市場規模は1000億円程と試算していますが、当社の営業利益率は12%と高いうえ、浮き沈みが少ないマーケットですので、当グループにとって安定した収益を確保するための基盤事業と認識しています」(中島達也社長)
一方、産業機器市場向けのIA事業では工場の省人化・省力化・自動化に関わる機器を開発・製造している。
主力製品は2つあり、1つはFA(ファクトリーオートメーション)機器センサーだ。半導体・電気・電子部品・自動車業界向けのセンサーを中心に、近年は裾野が拡大している。
IA事業のもう1つの主力が、画像検査用LED照明。こちらも半導体・電気・電子部品業界の検査用途で需要が急増中だ。同照明は、工場の検査工程で対象物を撮像し、「良品・不良品」の判定をする際に使用される。IA事業でもニッチトップの製品を抱えており、食品工場で賞味期限などの印字検査に使われる画像センサーは世界シェアトップ級、画像検査用LED照明は世界シェア30%でグローバルトップシェアを占める。
「産業機器のマーケットは40年間に渡り伸び続けています。今後もIA事業では市場平均成長率以上の成長を目指し、SS事業と2軸で成長を遂げていきたいと考えています」(同氏)
同社が位置するIA市場は年々拡大している。オプテックスグループはニッチ分野に特化しており、最大手の競合他社に比べ、事業範囲は広域ではないが、将来アクセス可能な範囲だけでもグローバルで1兆円の市場があるという。
2023年3月、オプテックス・エフエー社で社長を務めてきた中島達也氏がオプテックスグループの新社長に就任した。同氏はFA業界に30年以上関わり、かつ長期の海外経験と豊富な知見・人脈を持つ。海外売上高比率が5割以上を占める同社では、海外事業と、需要が増え続けているIA事業の拡大を成長ドライブに見据えており、その上での抜擢となる。
また祖業であり重要な収益源であるSS事業を担うオプテックス社の社長を務める上村透氏が、24年3月にグループの代表取締役副社長に就任。今期より代表2名体制でIA・SS事業それぞれの成長を牽引していく形となった。
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