農薬関連が全体の8割
化成品が15%占める
同社の中核事業は、売上の8割を占める農薬及び農業関連事業。自社で農薬の有効成分である原体から開発を手掛け、原体や農薬として製剤化した製品を販売する。創製から製造・販売まで製販一貫体制で、安全・安心な製品を国内外で提供している。
農薬の国内向けの流通は、全国農業協同組合連合会(全農)に販売し、そこから約500あるローカルJAを通じて、エンドユーザーである農業従事者に販売される。全農系メーカーのうち、同社はトップの売上規模を誇る。国内向け主力製品は、水稲用除草剤(初中期一発剤は国内シェアNo.1)や水稲用省力製剤「豆つぶ剤」などがある。
同社は1949年に、前身である柑橘同業組合の「農民のための農薬製造」という精神を引き継ぎ、庵原(いはら)農薬として発足。65年に原体製造事業を分離し、イハラケミカル工業を設立。2017年には再びイハラケミカルと経営統合し、現在の製販一体型の化学メーカーとなった。
売上比率約15%を占める化成品事業では、農薬原体製造を通じて長年培った有機合成技術を応用し、化成品の開発・製造を行っている。半導体や航空機・自動車の部品など、幅広い産業で同社の製品が活用されている。
「化成品事業は、我々はサプライチェーンのかなり上流の方に位置していて、裾野がものすごく広いです。半導体、新幹線の床や消防服にも当社グループの化合物が使われており、人々の生活を安全に、そして豊かにしています。農薬は原体を作るところから販売までずっと農薬ですが、化成品の用途開発は無尽に広がります」(高木誠社長)
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