キーワードは「有言実行」 過去掲載銘柄株価上昇イレブン

キーワードは「有言実行」 過去掲載銘柄株価上昇イレブン

野村マイクロ・サイエンス

6年で時価総額18・5倍
営業利益は13・8倍に

本誌が過去にインタビュー記事で取り上げた企業の中で、時価総額の伸び率がトップクラスにあるのが、野村マイクロ・サイエンス(6254)だ。2018年5月号で取り上げた同社の時価総額は、その後6年間で取材当時の107億円から1980億円と18・5倍に増加。株価は253円から19・3倍の4875円(24年5月27日終値)まで伸びた。売上高は取材時から4・4倍の730億2100万円、営業利益は13・8倍の106億4700万円まで拡大した。
同社が企業価値を向上させた要因と考えられるのが、超純水製造装置に特化していたことだ。
同社の創業は1969年で、北興化学工業などが中心となり設立された。創業当初は米国GE社が開発したニュクリポアー・メンブレン(超精密なろ過膜)の代理店であった。しかし、アメリカでは半導体の洗浄に使われる超純水のフィルターとして販売されていることを知り、超純水製造装置の開発を始める。その後は、原水の不純物を除去する前処理から製造工程まで一貫して行っている。半導体製造には欠かせない超純水だが、当時、「超純水が作れる会社は、世界に4社しかない。そのうちの1社が当社」(千田豊作会長、18年5月号)というほど稀有な存在でもあった。活況な半導体市場とその特異なポジションが同社の好調を支えている。
また、「半導体製造を行う会社さんの設備投資の流れが当社の売上にも反映しています」(同氏)とも語り、その活況な需要において、超純水製造装置に特化したことが企業価値向上につながった。製造装置はパワー半導体を中心に投資意欲旺盛と見込んでおり、今期も増収増益を計画している。

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