応用地質 【9755・プライム市場】

地質調査の圧倒的ナンバーワン
「売る会社」へ脱皮し純利益3倍

地質調査能力を軸に、インフラ整備、防災、環境保全、資源調査など多岐に渡る事業展開するのが応用地質(9755)だ。前期(2019年12月期)は売上高が前々期比19.1%増の538.8億円、営業利益は同74.3%増の25.8億円、当期純利益は同170.5%増の21.7億円と躍進した。同社の成田賢社長は、成長の背景には2010~2020年の10年間で取り組む長期経営ビジョンの結実があると話す。
応用地質-成田 賢

成田 賢(なりた まさる)

社長

1953年11月15日、秋田県生まれ。新潟大学大学院理学研究科地質鉱物学専攻修了。1979年、応用地質入社。2004年取締役、05年専務執行役員に就任。07年取締役副社長を経て、09年3月、代表取締役社長に就任(現任)。趣味は一週間に一度程度のウォーキング。座右の銘は一期一会。

地質調査を軸にインフラ整備・
防災・環境保全など展開

全ての人間の生きる基盤となる地面。しかし、その下には一体どんな世界が広がっているのだろうか?

同社は、地面や地中を調査する「地質調査」のエキスパートだ。60年以上培った技術力を武器に、130カ国以上で環境調査やコンサルティング、計測器開発などを行う。

セグメントは①インフラ・メンテナンス事業、②防災・減災事業、③環境事業、④資源・エネルギー事業の4つを展開している。

インフラ・メンテナンス事業では、トンネルや道路などの調査やコンサルティング、インフラ維持管理システムや検査製品の開発などを手掛ける。日本では、高度経済成長期に建設されたインフラの老朽化が喫緊の課題。国土交通省によると、今後30年間で必要な維持管理・更新費用は約195兆円に上る。同セグメントの前期売上高は229・2億円となり、全体の4割を占める稼ぎ頭となった。

残り3セグメントの前期売上高は、それぞれ全体の2割程度。防災・減災事業の主な業務は、災害の被害予測や、防災計画の策定支援などだ。頻発する自然災害を受け、国や自治体だけでなく民間企業からも引き合いが増えているという。前期は台風被害による河川災害対応などで、大幅に伸長。セグメント売上高は117・2億円となった。

環境事業では、外来魚捕獲調査や、福島復旧支援サービスなどを行う。前期は、災害廃棄物処理に関する業務やアスベスト対策業務が堅調に推移。売上高は89・6億円だった。

資源・エネルギー事業は、資源開発会社などに向けて、発電所の立地コンサルティングや資源探査システムなどを提供する。前期は、海上に風車を設置して発電する「洋上風力発電」分野が伸長。セグメント売上高は100億円の大台に乗った。

「洋上風力事業の前々期売上高は5億円程度でしたが、前期は30億円と勢いよく伸びています。今後もニーズの高まりに合わせて、更なる成長が期待できます」(成田賢社長)

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