「フローパックR」開発
詰め替え文化の普及に貢献
藤森工業の創業は1914年(大正3年)。日本の輸出産業を支えた生糸製品を船積みの湿気や塩害から守るため、高い防湿防水性を持つ「藤森式ターポリン紙」を開発した。以来、100年以上の歴史の中で様々な「包む価値」を提供。独自の技術を活用し、食品や医薬品の包装材、光学用フィルム、建築用シート等へと幅を広げてきた。
現在、ライフサイエンス、情報電子、建築資材の3分野を展開。主力のライフサイエンス事業は、売上高547億5400万円(19年3月期)と売上比率5割弱を占める。シャンプー・リンス等の日用品向け包装材、レトルト殺菌用包装材、薬液バックなど幅広い製品を製造・販売する。
このうち、売上のウエイトが高いのは、シャンプーやリンス等の詰め替え包装材として普及しているスタンディングパウチだ。同社はスイスの包装材メーカーと提携し、注出口にチューブが付いた「フローパックR」を開発。手を汚さずに短時間で注ぎ込めることから〝詰め替え文化〟の普及をけん引した。
「詰め替えは手先が器用な日本人に独特の文化ですが、最近では東南アジアでも普及してきています。また、欧米でも注目され始めています。大手グローバルメーカーのCMに取り上げられ話題になった、簡単に詰め替えできる液体洗剤のパウチも当社の製品です」(布山英士社長)
最近の詰め替え包装のトレンドは、1回詰め替えから複数回詰め替えへ移行している、と布山社長は話す。通信販売を利用して大容量の洗剤などを買う消費者が増えており、同社は2~3回分入る大型パウチを低コストで生産する専用設備の投資を行った。設備は自社開発で品質にも自信を持っており、収益性も重視した付加価値の高い製品を提供している。
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