SCREENホールディングス 【7735・プライム市場】

半導体洗浄装置など3部門の製品で世界シェア1位
2023年に売上高4000億円を目指す

SCREENホールディングスは、半導体製造関連装置など3部門で世界シェア首位に立つ。創業事業だった印刷製版用ガラススクリーン製造から「思考展開」の精神で業容拡大を続け、2020年3月期は年間売上高3232億円、経常利益116億円の企業へと成長した。半導体の需要が世界的に高まる中、今後の戦略を廣江敏朗社長に聞いた。
SCREENホールディングス-廣江 敏朗

廣江 敏朗(ひろえ としお)

社長

1959年生まれ、同志社大学卒業。83年大日本スクリーン製造(現SCREENホールディングス)入社。2006年半導体機器カンパニー副社長。07年執行役員。09年技術開発センター副センター長。11年上席執行役員。14年FPD機器カンパニー社長。14年SCREENファインテックソリューションズ代表取締役社長執行役員。19年代表取締役取締役社長(現任)、最高経営責任者(CEO)(現任)。

印刷業から発展したダイレクト製版機
商業用インクジェットプリンタも展開

同社は半導体洗浄装置、PCから印刷用の版を出力するCTP装置、そしてテレビやPCなどのディスプレー製造用コーターデベロッパーの3つで世界シェア1位となっている。同社は4つの事業部門を展開するが、その中でも創業事業は、印刷関連装置を製造・販売するグラフィックアーツ機器事業(GA)だ。2020年3月期のGA事業の売上は455億5300万円となった。

─社名の「スクリーン」は、もともとは印刷部材に由来しているそうですね。

廣江 新聞などに印刷された写真をよく見ると、細かい点の集まりでできています。この点を作り出すのが「スクリーン」という部材。スクリーンには微細なメッシュ模様が刻まれており、印刷の元となる版を作る工程で使うことで、画像を点に変換します。1934年に、当社の前身である石田旭山印刷所の石田敬三が写真製版用ガラススクリーンの国産化に初めて成功しました。ガラススクリーンを作るときには、表面に非常に薄い均一な膜を塗ったり、その上に精密に線を彫刻したりエッチングしたり、それらを張り合わせたりという技術を使っていた。その技術が、現在の当社の事業の基になっています。

─ CTP(印刷用刷版出力)装置は、世界シェアの33%を占めています。

廣江 以前は原稿をカメラで撮影し、それらを集めてフィルムで出力して、さらに印刷用の版に焼き付けていました。CTP装置はPCデータからダイレクトに版を作ることができるので、撮影もフィルムも不要。このCTP装置の普及によって、印刷の経費節減や大幅な工程短縮が実現しています。こちらは国内外の大手印刷会社向けに販売しています。

─その一方で2006年にはすでに、版が不要でPCから直接印刷できる、商業印刷向けインクジェット印刷機を発売していますね。こちらの将来性はどう考えますか。

廣江 当社は早くからインクジェット印刷機の開発に着手しており、印刷品質には高い評価を頂いています。最近は雑誌などの発行部数が減り、輪転機で印刷するとコストに見合わなくなったので、インクジェットで少量多品種を印刷するニーズが広がっています。また生活必需品である食べ物のパッケージやラベルの印刷も、今までの版を使った印刷から、少量多品種印刷できるインクジェットに代わってきています。

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