交換できるくん 【7695・グロース市場】

住宅設備機器を工事付きでネット販売
2021年3月期売上高47億円見込む

トイレや蛇口、給湯器などの住宅設備機器を交換工事とセットでインターネット販売するのが、交換できるくん(7695)だ。底堅い交換需要に加え、見積もり依頼から注文までを非対面で完結できることから、コロナ禍においても工事件数を順調に伸ばしている。2020年12月に東証マザーズに上場。IPOによる知名度向上により一層の成長を図っていく。
交換できるくん-栗原 将

栗原 将(くりはら まさる)

社長

1975年10月29日生まれ。神奈川県横浜市出身。高校卒業後、事務機器の営業マンを経て、1998年11月水道設備工事業として、サンリフレ(現交換できるくん)を設立。2020年2月に、交換できるくんへ社名変更。同年12月東証マザーズに上場。

見積もりから注文まで
ネットで完結

同社は自社サイト「交換できるくん」を通じて住宅設備機器を工事付きで販売するEコマース事業を展開。トイレ、蛇口、IHクッキングヒーター、給湯器、ガスコンロ、浴室乾燥機、食洗器、レンジフードなどを扱い、いずれも国内正規品を工事費込みで提供している。

現在、関東、関西、東海、札幌、福岡の5大都市圏を営業エリアとし、施工は約80~90人の自社または専属契約の職人が担当。職人1人当たりの1日平均施工件数はおよそ3件であり、全国で1日約100件、年平均約3万件の工事を行っている。工事1件当たりの平均単価は約13万円。20年3月期には売上高40億800万円を達成。21年3月期の売上高は47億円の見込みだ。

同社のサービスの特徴は、商品選択から見積もり依頼、工事日程の調整に至るまでのすべての工程を原則インターネットで完結させること。ユーザーは同社サイトで商品を選び、「見積もり依頼フォーム」の入力画面を使って現在使用中の住設機器の型番、写真を含めて送信すると、早ければ30分~1時間、ピーク時でも24時間以内には見積もりが送られてくる。見積もり内容に納得したら注文ボタンを押して注文を完了。あとは工事当日に担当者が商材を持参して工事を行って交換工事が完了する流れだ。

「当社のサイト自体が媒体なので、いろいろなメーカーを比較でき、家電製品を選ぶような形で選んでもらって見積もりをネットでできる点が大きな特徴であり、他社と圧倒的に違います。電話による問い合わせも可能で、説明の後に最終的にネットで注文をいただく仕組みになっています」(栗原将社長)

また、事業領域を単品の住宅設備交換に特化。この領域は一般的なリフォームと水道修理などの補修・小工事の中間にあたる。価格帯は5~50万円とリフォームに比べて低価格だが、同社は施工を内製化して効率的に工事を行って利益を確保している。

「私共はリフォーム屋ではなく住宅設備の交換屋。この領域を専業にしている企業はほとんどありません。当社も8年前までは大型リフォームのキッチンやバスの工事を手掛けていましたが、リフォーム会社とぶつかり競争で優位性がないこと、また主力である蛇口交換などの少額工事をなおざりにしてしまうので今はあえてやらない方針を取っています」(同氏)

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