高利益体質の専門商社
合言葉は「1枚・1本・1gから」
白銅のビジネスモデルは、従来の商社機能に『切断・加工・配送サービスを組み合わせる』ハイブリッド方法だ。アルミメーカーなどから数万トン単位で原材料を仕入れ、全国のストックヤードに在庫する。それを顧客ごとの細かな要望に合わせて、あらゆる種類の金属素材を希望サイズ・形状に加工し、全国に最短翌日に配送している。
「1枚・1本・1グラムからというのが当社の基本姿勢です。他の大手商社では何トン単位でしか注文を受けないところ、当社は1オーダー平均10〜20キロ。神奈川や九州にある全国5拠点のストックヤードを兼ねた工場でお客様が使う分だけ、きめ細やかなニーズに合わせて加工し、すぐお届けできる点が強みと言えます」(角田浩司社長)
取扱製品は売上の7割を占める標準品(在庫品)と、3割を占める特注品がある。アルコニックス(3036)など非鉄金属商社大手は、この特注品分野が主戦場だが同社は3割程度だ。一方、白銅の個性が発揮されているのが標準品分野。約5300アイテム・7000トンの在庫があり、白銅独自のeコマースシステムである白銅ネットサービスでは、提携会社の商品を含めると2万アイテムのオンライン購入が可能だという。製品には、顧客からのオーダーに合わせ百分の一ミリ単位の加工・調整も可能。問合わせや注文にはネットを中心に電話、FAXですぐに対応し、見積もり件数は1日およそ2万件、成約件数は1日約1万件に上るという。
特注品ビジネスは、規模が大きく取引数は少ないが、標準品ビジネスは、規模の小さな取引が山のようにある。同社のスローガンには「ダントツの品質 ダントツのスピード ダントツのサービス 納得の価格」が掲げられている。実は、納得の価格という点が利益率を上げる重大要素の一つ。顧客のニーズに細やかに対応する代わりに、一つひとつの案件に適正な利益を乗せているのだ。リピーターを増やし、着実に利益を積み上げている。
「コスト管理も徹底しています。例えば、顧客のオーダーに合わせて切断した資材の板などは、無駄が出ないよう端材をまた別の製品に利用するなどしています。資材をどのようにすれば、有効に無駄なく使えるのかをITシステムを活用し、かなり緻密に計算・管理しています」(同氏)
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