ヒマラヤ 【7514・スタンダード市場】

3年間の覚悟”で11年ぶりに創業社長が復帰
売上高750億円、経常30億円の収益体制実現へ

岐阜県に本社を置くヒマラヤは、関東以南に約100店舗、総合スポーツ用品店を展開している。早くからEC事業にも参入し、コロナ禍で売上高の2割を占めて好調だ。2021年4月、創業者の小森裕作会長が11年ぶりに“3年間限定”で社長に復帰し、会長と兼務となった。スピード感を持った経営判断で新規出店を進め、24年度の売上高750億円の実現、その先の1000億円企業を目指す。
ヒマラヤ-小森 裕作

小森 裕作(こもり ゆうさく)

会長兼社長

1948年11月生まれ。岐阜県関市立関商工高等学校卒業。76年4月、岐阜ヒマラヤ(現ヒマラヤ)を設立。2010年に社長を退き、代表取締役会長に就任。21年4月、代表取締役会長兼社長に就任(現任)。

関東以南に約100店、
延べ980万人が利用

同社の2021年8月期の連結の売上高は、前期比7・6%増の621億3300万円。利益面は、コロナによる緊急事態宣言などで赤字となった前年から回復し、営業利益は20億2400万円、経常利益は22億1500万円だった。

店舗数は22年2月現在、東海圏を中心に、北関東から沖縄県までに97店。バックヤードを除く専有面積900坪以上の大型店が10店、メインとなる600坪~900坪未満の中規模の郊外のロードサイド店が51店、そのほかにゴルフ用品などを扱う小規模店舗を展開している。20年度(21年8月期)の年間利用者数(レジ客数の延べ人数)は980万人に及ぶ。

商品構成は、テニス、サッカー、ランニングなどの一般スポーツ用品が売り上げの60%弱を占めて最も多く、次がアウトドア用品20%、ゴルフ店商品16%、祖業のスキー・スノボ用品は5%だ。その中でもアウトドア用品は売り上げを伸ばしており、18年度からこの3年で35%近く増加。構成比率も増えている。

同社の特徴は、多様多層な商品構成と専門知識の高い社員の接客力だ。売り場の商品は、流行や売れ筋だけなく、ビギナーから競技者が使うようなプロ仕様までを幅広く取り揃えている。扱う商品数が増えれば収益性が落ちるようにも思えるが、そこはスポーツに関心の高い、文字通り“体育会系”社員の接客力でカバーしているという。 

「効率性のみを追求した商品の絞り込みは行わずに、お客様の目線に立ち、お買い物を楽しんでいただける商品構成と接客を心掛けています。当社の事業規模では機動性を発揮し柔軟な対応が可能で、それが当社の強みでもあります。商品数が増えても、それが売れれば収益性は上がる。社員1人当たりの売上高は、アルバイトを除く社員数で一人当たり8900万円。上場する同業他社と比較しても、1000万円近く高いようです」(小森裕作会長兼社長)

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