東亜ディーケーケー 【6848・スタンダード市場】

水質計・PM2.5測定機器で国内トップクラス
半導体市場開拓と生産体制拡充で売上200億円へ

東亜ディーケーケーは、環境と医療を柱に事業展開する計測機器メーカー。新型コロナの流行でエッセンシャルワーカーに注目が集まったように、同社の計測機器もまた、安心・安全な暮らしを守るために欠かせない。2022年3月期は営業利益率11%以上を維持しながら、増収増益を達成。機器販売とアフターサービスの両輪で安定した業績を堅持しつつ、今年度は売上高200億円へ向けた生産体制を整えている。
東亜ディーケーケー-高橋 俊夫

高橋 俊夫(たかはし としお)

社長

1953年生まれ、大阪府出身。75年立命館大学産業社会学部卒業後、電気化学計器(現東亜ディーケーケー)入社。2002年国内営業本部大阪支社長。07年取締役、営業企画部長。09年常務取締役。13年専務取締役、営業本部長、開発本部統括、ハック提携強化推進担当。14年取締役副社長、生産本部統括、品質保証本部統括。15年代表取締役副社長。17年代表取締役社長に就任(現任)。

少量多品種の豊富な製品群
安全・安心な水道水を供給

同社は、水・大気・医療・ガスの4領域に特化した分析機器の開発・製造・販売・アフターサービスを行っている。製品は、水質計や大気測定装置等の「環境・プロセス分析機器」、ラボ・ポータブル用の「科学分析機器」、透析医療を支える「医療関連機器」、産業用ガス検知警報器の4つに分類される。

水分野で国内トップクラスのシェアを占めるのが、水の酸・アルカリ濃度を測るpH計だ。顧客の細やかな要望に対応できる、少量多品種の生産体制を強みに、pH計だけでも豊富な製品群を取り揃える。導入先は、浄水場、下水処理場などの官公庁から、発電所、食品・化学等の各種工場などの民間企業まで多業種に渡る。用途も、研究開発、品質管理、環境保全(水や大気の汚染監視)など様々だ。

清掃工場の排水水質測定器でも国内シェアの半分以上を占める。また水質7項目を測定できる「水道水用水質自動測定装置」も主力の一つ。安全・安心な水道水を供給するため、公園や家庭の近くなど全国1000カ所以上に同社の製品が設置されている。さらに医療分野では、透析用薬剤粉末の溶解装置が国内シェア7割を占める。

「当社の計測器は普段目にすることはありませんが、マーケットシェアの高い製品が沢山あります。国内に設置されたPM2・5測定装置は約6割のシェアを持っています。天気予報で出るPM2・5の数値を見ながら、変な数字が出たら機器の故障ではないかとドキッとします」(高橋俊夫社長)

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