ゲームコントローラーにも
内蔵される高い技術力
帝国通信工業は、電子回路の中で電気の流れにくさを制御する抵抗器やセンサー、スイッチなどの電子部品を製造する。抵抗器には、抵抗値が変えられる可変と抵抗値が変えられない固定の2種類があり、同社は両方を扱う。
同社のコア技術は、フィルム印刷と成型、プレス加工の3つだ。可変抵抗やスイッチの接点、パターンなどをフィルム印刷することで薄くし、加えて成型、プレス加工によりニーズに合ったカスタム製品を製造できる。この技術を用いて、多様な内蔵部品を手掛けている。
2021年3月期連結業績は、売上高120億2200万円、営業利益7億5500万円。製品別でみると、AV機器が21%、自動車が28%、家電が18%、ゲーム機を含むアミューズメントが21%、産業機器が9%、医療ヘルスケアが2%と多様な分野で活用されている。
コロナ禍では、巣ごもり需要によりゲーム機の売上が急速に拡大した。同社はコントローラーのスイッチや内蔵されたセンサーといった部品を手掛けている。国内二大ゲームメーカーに採用され、両社のゲーム生産台数の合計は年間4000万台以上。その大半のコントローラーで、左右合わせて2個の部品が使用される。
また、同社の固定抵抗器はエアコンや給湯器に利用される。特に、パワーが必要なところに使うセメント充填型固定抵抗器が主だ。パイプの周囲に抵抗器を取り付け、電流を加えることで発熱させ、凍結防止のヒーターとしても利用される。
海外でも中国、ベトナム、タイを中心に4カ所の生産拠点と北米を含む8カ所の販売拠点を有する。海外売上は46%を占め、「NOBLE」ブランドで知られる。
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