企業で働く人の「時間」と「環境」を管理
同社は「人と時間」「人と環境」をテーマにしてグローバルに展開している企業だ。タイムレコーダーなど時間を管理する機器を取り扱う「時間管理機器」、勤怠や人事給与、入退室等を管理するシステムを扱う「情報システム」、駐車場・駐輪場システムを展開する「パーキングシステム」、床面清掃機器などを扱う「クリーンシステム」、集塵機などを扱う「環境システム」の5つの事業領域がある。
─タイムレコーダーと就業管理システムで、全国の約4割と高いシェアを持っていますね。タイムレコーダーは日本の企業に欠かせないものですが、出退勤の時刻を記録するだけでなく、記録を元にした就業管理システムなどソフトウェアも手掛けています。
人を雇うにはタイムレコーダーが必要と考える企業は多く、需要は根強いものがあります。タイムレコーダーは紙カードタイプだけでなく、最近はネットワークに接続して利用できる社員証兼用のICカードタイプのものや、カメラ付きの機器、指静脈の生体認証で記録できる機器もある。当社では企業それぞれに合わせ、機械とソフトを組み合わせたシステムを提供しています。導入時には低価格な紙カード式の機械を使う企業も、成長して従業員が増えるとICカードなどを使うようになり、やがて就業管理ソフトが必要になるもの。現在は給与、人事などを管理するソフトや、入退室管理、食堂の会計ができるシステム、グループ会社ではクラウドサービスも手掛けています。
─パーキングシステムでは、全国の約6割のシェアを持っています。
当社が強いのはゲート式の駐車場システムです。大きなショッピングモールなど、車が8000台以上入る駐車場も手掛けています。機器製造だけではなく施工まで請け負うことが可能です。小スペースの駐車場で使われるフラップ式システムも提供しており、大手駐車場管理会社へも継続販売している。またパーキングシステムでは、システム機器を販売すると同時に、グループ会社では駐車場の運営委託も手掛けています。駐車場オーナーに代わって管理業務をお手伝いし、料金をいただくもので、国内だけでなく韓国でも伸びています。
─床面の掃除をする業務用のフロアポリッシャーなどの清掃機器シェアは30%、切削工場などの粉塵を処理する集塵機は35%と、こちらもシェアが高いですね。
床面清掃機器は、日本で作っているのはほぼ当社のみ。売上の半分はビルメンテナンス向けです。他社製品を使う企業は欧米から輸入することが多いですが、そちらはサポートに不満を持つユーザーも多い。ビルメンテナンス業界は人手不足で人件費が上昇する中、請負金額の値上げは難しく、機械を修理して使う会社も多いのです。集塵機は、小型の汎用機から大型システム機まで揃えており、シェアが一番大きい。そしてダクト工事からメンテナンスも積極的に請け負っています。
─2020年3月期の売上では、「時間情報システム事業」が1000億1600万円、「環境関連システム事業」が330億6800万円となっていますね。内訳はどうなっていますか。
売上の49.2%を占めるのが、時間情報システム事業の中のパーキングシステム部門。ついで情報システム部門が23,4%、タイムレコーダーなどの時間管理機器は2.6%です。環境関連システムでは、集塵機などを扱う環境システム部門が16.8%、清掃機器を扱うクリーンシステム部門は8.0%という構成比です。
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