生活支えるチェーンたち
エスカレーター、可動式プラットフォーム柵、ジェットコースター、回転寿司レーン、工場の製造ライン…。生活を支える、様々な『動く』もの。この中に必ず入っているものがチェーンだ。そんなチェーンを2万種類以上も製造するのは、2018年度連結売上高2385億円、営業利益218億円の椿本チエインだ。
「1917年に、椿本説三氏が自転車用のチェーンメーカーとして創業しました。ところがすぐに自転車チェーンの価格が暴落し、このままではだめだと。紡績商社に勤めていた頃に見た、紡績機械を思い出しました。その機械には海外製のチェーンが使われていたのです。『ああ、我々が知っているチェーンは自転車だけだけど、色んなところで使われるんだ』と。これから日本でも機械化が進み、チェーンが使われるだろうと、海外のカタログを取り寄せて、国内で機械用チェーンを作り始めました」(大原靖社長)
創業からわずか10年で自転車用チェーンから産業用チェーンへと舵を切った同社は、様々な業界向けに動力伝動用チェーンや搬送用チェーン等を製造する。すると、チェーンを動かすために必要なモーターやカップリングといった精機商品の需要が加速。一方で、自動車メーカーからはエンジンに組み込まれるチェーンの引き合いが舞い込んだ。更には、工場や物流センター等の搬送・自動仕分けシステムを丸ごと納めてほしいという要望も増加した。こうした結果、現在同社はルーツの「チェーン事業」の他に、減速機やクラッチ等周辺機器を扱う「精機事業」、エンジン内で動力を伝えるタイミングチェーン等を製造する「自動車部品事業」、各種搬送・自動仕分けシステムを提供する「マテハン事業」の4事業に分かれて展開している
有料会員限定
続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。