日精樹脂工業 【6293・プライム市場】

自動車向けに強い射出成形機の国内専業最大手

世界4拠点で生産、80カ国超に累計14万台弱を出荷プラスチック加工用の射出成形機を主軸としてグローバルな展開をしているのが、長野の日精樹脂工業だ。この機械の製造では珍しい専業メーカーで、自動車分野に強い。世界各国にある拠点を通じたアフターサービスの徹底、誰でも入れる技能スクールの運営などの取り組みで、大手に負けない立ち位置を築いている。
日精樹脂工業-依田 穂積

依田 穂積(よだ ほづみ)

社長

1963年7月30日、長野県生まれ。東海大学教養学部卒業。8 9 年7月、日精樹脂工業に入社。9 9年5月、ニッセイアメリカI NC.取締役副社長、同年6月、日精樹脂工業取締役に就任。2 0 01年4月、代表取締役社長(現任)。18年7月、日精ホンママシナリー代表取締役会長(現任)。20年1月、NEGRI BOSSIS.P.A.会長(現任)。

主力の射出成形機が
全売上の7割強

日精樹脂工業の2020年3月期の売上は388億円、営業利益、経常利益は共に11億円。主力は射出成形機で、売上の72.4%を占める。本社を構えるのは長野県埴科郡。創業から10 年強の1960年に輸出を開始するなど、当初からグローバルに展開してきた。現在は、日本、米国、タイ、中国の4カ国で製造を行うほか、国内20カ所、海外34カ所まで拠点を拡げ、仕向け先は80カ国超にのぼる。

創業以来扱ってきた射出成形機は、プラスチックを加工するための産業用機械だ。プラスチック自体が非常に身近な素材であることからもわかるように、射出成形機は自動車部品、IT、医療機器、化粧品容器といった様々な製品加工の際に欠かせない。

同社が最も得意とするのは、それら多様な産業の中の、自動車関連分野。射出成形機の製造にはファナックや住友重機械など国内大手も参入しており、海外市場であっても日系企業同士で競合するケースが多々あるという。価格競争ともなれば大手資本が有利になりがちだが、得意分野を活かし差別化を図ることができれば、話は違ってくる。同社の依田穂積社長は、今後の事業展開でのさらなる注力ポイントにも、自動車関連分野を挙げる。

「我々は、強さのセグメントとして、自動車というところをさらにフォーカスしていき、そこに対してオンリーワン的な提案をしていくということ、そして、同じ土俵では勝負をしないというのが一番のポイントではないかと考えています」(同氏)

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