主力の射出成形機が
全売上の7割強
日精樹脂工業の2020年3月期の売上は388億円、営業利益、経常利益は共に11億円。主力は射出成形機で、売上の72.4%を占める。本社を構えるのは長野県埴科郡。創業から10 年強の1960年に輸出を開始するなど、当初からグローバルに展開してきた。現在は、日本、米国、タイ、中国の4カ国で製造を行うほか、国内20カ所、海外34カ所まで拠点を拡げ、仕向け先は80カ国超にのぼる。
創業以来扱ってきた射出成形機は、プラスチックを加工するための産業用機械だ。プラスチック自体が非常に身近な素材であることからもわかるように、射出成形機は自動車部品、IT、医療機器、化粧品容器といった様々な製品加工の際に欠かせない。
同社が最も得意とするのは、それら多様な産業の中の、自動車関連分野。射出成形機の製造にはファナックや住友重機械など国内大手も参入しており、海外市場であっても日系企業同士で競合するケースが多々あるという。価格競争ともなれば大手資本が有利になりがちだが、得意分野を活かし差別化を図ることができれば、話は違ってくる。同社の依田穂積社長は、今後の事業展開でのさらなる注力ポイントにも、自動車関連分野を挙げる。
「我々は、強さのセグメントとして、自動車というところをさらにフォーカスしていき、そこに対してオンリーワン的な提案をしていくということ、そして、同じ土俵では勝負をしないというのが一番のポイントではないかと考えています」(同氏)
有料会員限定
続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。