日精エー・エス・ビー機械 【6284・プライム市場】

1ステップPETボトル成形機のパイオニア
高品質・高付加価値容器成形の量産化でシェア拡大

長野県小諸市に本社を置く日精エー・エス・ビー機械(6284)は、高品質なプラスチック容器の成形機を開発、販売するパイオニア的な存在だ。とくに高い技術が求められる1ステップ成形機の市場シェアは6割近く、海外比率9割のグローバル企業となっている。今年6月、経済産業省認定の2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」の機械・加工部門 に選定された。
日精エー・エス・ビー機械-宮坂 純一

宮坂 純一(みやさか じゅんいち)

社長

1958年4月長野県出身、早稲田大学商学部卒業。82年4月、八十二銀行へ入行し軽井沢支店長、新宿支店長などを歴任。2012年7月同社に入社後、取締役経営企画担当部長、取締役生産部長などを経て17年10月代表取締役社長COOに就任(現任)。

130カ国以上に商品を
提供するグローバル企業

日本で初めてPETボトルが使われたのは1977年、しょうゆを入れる容器だったという。その翌年、同社はPETボトルをはじめとするプラスチック容器を生産する「ストレッチブロー成形機」の開発、製造、販売を目的に設立した。

ストレッチブロー成形法は、ペット樹脂からプリフォームと呼ばれる容器の原形を射出成形する工程と、それを加熱し、金型の中で空気を吹き込んで膨らませて伸ばし、容器の形状に成形する2つの工程がある。その材料の投入から最終製品まで1台の機械で行うのが1ステップ方式、別々の2台の機械で行うのが2ステップ方式だ。前者は高品質な化粧品容器などを一貫生産することができ、後者は飲料などの単純容器を大量生産するのに適している。同社は1ステップ方式で、世界で6割近いシェアを持つリーディングカンパニーだ。

「2ステップの市場規模は約2000億円で、清涼飲料水などの単純容器がメインです。一方、1ステップは約500億円と小さいながら、食品や日用品・化粧品などの多種多様な容器形状が求められます。当社の1ステップ機は独自技術の『温度調節機能』を有しているため、成形難度の高い、高付加価値容器の成形を得意としています。消費者ニーズの多様化に伴い、消費財メーカーは特別な容器で商品差別化を図っており、多品種・高難易度の容器を効率的に生産できる1ステップ機への注目度が高まっています」(宮坂純一社長)

 同社はまた、早くから海外ネットワークを構築。現在は日本とインドに製造工場と販売拠点を持つほか、海外の現地法人・販売子会社が11社、支店と営業所が6カ所、代理店は32カ所に上る。エリア別売上高の構成比はアメリカが25・3%、欧州が21・2%、南・西アジアが35%、東アジアが8・7%と日本の9・8%で、海外比率は9割を超える。累計で成形機1万台、金型2万2000型を130カ国以上に納入している。

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