オーケーエム 【6229・スタンダード市場】

10万種類以上のバルブのカスタマイズ提供が可能
環境規制強化により船舶用排ガスバルブの需要急増

2020年12月、東証二部に上場を果たしたオーケーエム(6229)。創業119年の老舗バルブメーカーだ。空調設備、造船、半導体、石油、化学、鉄鋼、電力、水道、食品など、あらゆる配管の流体制御に使われるバルブの製造を行なっている。海外売上高の比率も高く、昨年は経済産業省より「2020年版グローバルニッチトップ企業100選」に選出された。近年、海運業界への環境規制強化により、同社の船舶用排ガスバルブへの需要が急増しているという。
オーケーエム-村井 米男

村井 米男(むらい よねお)

社長

1951年11月17日生まれ、滋賀県出身。70年滋賀県立八幡工業高校機械科を卒業後、奥村製作所(現・オーケーエム)に 入社。93年技術部長、2007年常務取締役企画統括本部長などを経て09年代表取締役社長に就任。18年代表取締役社長就任、19年代表取締役社長 社長執行役員に就任(現任)。

明治35年創業の老舗
高付加価値品で高利益率実現

同社では、空気やガスなどの気体、水や油などの液体、粉体など、あらゆる流体に対応したバルブを開発・設計・製造・販売している。手がけるバルブの大きさは25㎜〜3000㎜にまで至り、組み合わせによりカスタマイズ製品を10万種類以上提供することが可能になる。中でも売上構成の83%を占めるのがバタフライバルブだ。ボディーである弁箱内で円板状の弁体を回転させることで流量調整を行なう。同製品は主に建築、造船、発電、プラントなどに納入されており、近年では特に環境規制強化により船舶への需要が急増中という。

同社は木挽鋸の製造所として明治35年に創業。その後昭和27年にバルブメーカーへと転向した。当初は玉形弁や仕切弁といった一般的なバルブから手掛け始めたが、次に普通のバルブでは処理できないような流体向けとしてナイフゲートバルブの開発に着手した。当時は、紙のパルプなど、ドロドロとした流体は普通のバルブでは詰まってしまうため、同業他社が挑戦したがらない分野だった。さらにコンクリート向けに対応するため、ピンチバルブの開発も開始。こちらも途中でコンクリートが固まってしまう性質で、他社は避けたがる分野だ。

「当社では他がやらない高リスクで難易度の高い分野に敢えて挑戦することを続けてきました。常に新しいもの、世界一のもの、ここにはないもの、スペックの高いものに挑むというのが当社の考えです」(村井米男社長)

同社ではその時々の最先端の技術や難題に挑戦することで、更に難易度の高い案件を獲得し続けてきた。例えば建築物の空調設備用バルブでは、現在国内一の超高層ビルあべのハルカスの全ての空調設備にも同社製品が使用されている。

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