ライドオンエクスプレスホールディングス 【6082・スタンダード市場】

宅配寿司市場でシェア5割以上の1強 
コロナによるデリバリー需要増で大幅増収増益

宅配寿司「銀のさら」などを展開するライドオンエクスプレスホールディングスは、コロナ禍の巣ごもり需要の拡大を追い風に売上を急拡大している。2021年3月期は売上高17.6%増の247億3900万円、営業利益59.5%増の22億円の見込み。同社は宅配寿司市場においてシェア5割以上を占める1強の存在。江見朗社長に成長戦略を聞いた。
ライドオンエクスプレスホールディングス-江見 朗

江見 朗(えみ あきら)

社長

1960年9月10日生まれ。岐阜高校を卒業後、単身アメリカのロサンゼルスへ留学。勉学の傍ら、現地で寿司職人として働いた後に帰国し、岐阜市内でサンドイッチ店を開業。後に宅配寿司店(現、銀のさら)に事業転換し、全国展開を進める。2001年レストラン・エクスプレス(現・ライドオンエクスプレスホールディングス)設立、代表取締役社長就任(現任)。2013年東証マザーズ上場。15年東証1部に市場変更。

FC展開し店舗数拡大
スケールメリットを実現

同社は、「銀のさら」を主力ブランドとする宅配事業と、宅配代行事業「ファインダイン」を展開する。主力の宅配事業は、宅配寿司「銀のさら」と宅配御膳「釜寅」、若者向けの低価格ブランド「すし上等!」の3ブランドを運営している。宅配代行事業は、宅配機能を持たない提携レストランに変わって料理をデリバリーするサービスであり、現在、700店超のレストランの代行宅配を行っている。

現在、全国に直営店101拠点、フランチャイズ店246拠点を展開。同一拠点内に複数のブランドを出店する「複合化戦略」を推進し、「銀のさら」を運営する店舗は358店、「釜寅」や「すし上等!」の複合ブランドを入れるとFCを含むチェーン全体の店舗数は742店舗に上る(2020年12月時点)。 同社は、設立翌年の2002年には200店を突破。04年に300店、08年に400店、16年には700店と順調に店舗数を増やしてきた。江見社長は設立当初から多店舗化を念頭に「銀のさら」のフランチャイズ展開を開始。スケールメリットを図ったことで寿司の原価を約50%から30%前半に下げることに成功した。

「例えばデリバリーが主流のピザの場合、原価は約3割と安いので利益を出しやすい。一方、日本人はお寿司をよく食べますから味に対するこだわりが強い。そうなると安物はだめで、クオリティーにこだわるので当然原価が高くなります。創業した時の原価は約50%でしたが、これでは利益が出ないので、店舗数を一気に増やして原価を下げました。スケールメリットを実現し、利益の出るチェーンに成長しました」(江見朗社長)

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