イード 【6038・グロース市場】

60サイト手掛けるメディア運営会社
事業の多様化進め業績2桁増続く

自動車やゲーム、教育など20ジャンルで60サイトを運営するウェブメディア会社がイード(6038)だ。独自開発したサイト運営プラットフォームを武器に、M&Aなどで取得したサイトを次々と収益化。メディアを糸口に事業領域を拡大させ、前期(2019年6月期)は売上高50億円を突破した。近年は不動産やアニメなど、様々なジャンルにおけるビジネスモデル多様化に注力。各分野で新事業を育成し、業績2桁増成長を維持する。
イード-宮川 洋

宮川 洋(みやかわ ひろし)

社長

1965年生まれ。88年にアスキー入社、99年インターネット総合研究所入社。2000年、IRI-CT(現イード)取締役に就任後、02年に代表取締役就任(現任)。18年、マークラインズ取締役就任(現任)。

メディアサイト運営のプロ

同社は、業界に特化したメディアサイトを買収・再生、もしくは自社開発して運営するウェブメディア会社だ。現在は60サイトを運営しており、月間5000本以上の記事を配信。総閲覧数は、月間1・8億ページビュー(PV)に上る。

運営サイトのひとつであるモビリティ専門メディア「レスポンス」では、自動車やバイクなどの製品情報、業界動向、試乗記など幅広いニュースを配信。業界関係者だけでなくモビリティファンからも支持を得ており、月間は単体で月間6000万PVを超える。

2年前に買収した「マネーの達人」は、貯金や家計、節約、投資などのマネースキルをまとめた情報サイト。「コストコの高コスパ商品ランキング」や「株主優待で外食費節約!おすすめの飲食店3社」といった生活防衛に関わる記事を配信し、PV数が近頃急成長している。

同社の特徴の1つは、運営するサイトを全て独自の共通プラットフォーム(PF)

「iid―CMP」で構築する点だ。同PFは、SEO施策やSNS対応といった集客機能や、「どこに広告を貼れば閲覧数が増えるか」などのマネタイズ、サイト間の記事交換機能など、これまで同社が培ってきたサイト運営ノウハウを凝縮したもの。これにより、サイト運営効率アップや早期収益化が図れるという。同PF活用を通じ、保護者向け教育情報サイト「リセマム」のPV数は7年で5・5倍に上昇した。

もう1つの特徴は、常に運営サイトを組み替える点。同社はこれまで35サイトを自社開発したほか、49サイトをM&Aで取得。各サイトの採算性や将来性を見極め、撤退も辞さない。M&Aで取得したサイトのうち、これまで撤退したサイトは14つで、継続率は71・4%となる。

「これまで手掛けたメディアはほぼ全て収益化していますが、そのジャンルに新しいビジネスチャンスが見出せない場合は撤退も検討します。反対に、収益性が低くても重要性が高いジャンルは力を入れて育成します」(宮川洋社長)

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