昭和電線ホールディングス 【5805・プライム市場】

創業84年の電線メーカー、国内インフラに強み
セグメント改革で効率化推進、利益率大幅改善

昭和電線ホールディングス(5805)は、1936年の創業以来、電線ケーブルを中
心とした製品を開発・製造。建設、電力の国内インフラを主軸に、通信機器、自動車など幅広い分野に製品を供給している。2019年4月からガバナンス体制を大きく見直しグループ全体の効率化を推進。20年3月期業績では大幅な利益増を計画している。
昭和電線ホールディングス-長谷川 隆代

長谷川 隆代(はせがわ たかよ)

社長

19 8 4年新潟大学大学院修了、昭和電線電纜(現昭和電線ホールディングス)社。 1996年東京大学博士(工学)学位取得技術開発センター次長兼超電導プロジェクト長、執行役員技術企画室長などを経て2013年取締役、18年代表取締役・取締役社長に就任。19年代表取締役社長 グループCEOに就任(現任)。

内需系の建設、電力を主力に堅調に推移

昭和電線グループの事業セグメントは、エネルギー・インフラ、通信・産業用デバイス、電装・コンポーネンツ、新規事業の4分野で構成する。

エネルギー・インフラ事業は建設、電力を主力分野とする同社の基盤事業であり、売上比率約5割を占める。発電所から家庭までをつなぐ電力ケーブル、建築物に使われる電線や免震部材など幅広い製品を提供している。

通信・産業用デバイス事業は、光ファイバケーブル、LANケーブルなどの通信ケーブル、ワイヤハーネスや精密デバイス等を手掛ける。

電装・コンポーネンツ事業では、無酸素銅を中心とした車載や電子機器向けの銅、銅合金、巻線などを扱っている。新規事業では、モビリティ、インダストリ、ITなどの成長市場に注力している。

日本における上場大手の電線メーカーは住友電気工業(5802)、古河電気工業(5801)、フジクラ(5803)が上位3社であり、自動車、エレクトロニクス関連を主軸に海外比率約5~6割のグローバル展開をしている。ただ、米中貿易摩擦の影響で自動車、エレクトロニクス業界は苦戦を強いられており、上位3社の今期業績は低調。各社とも2020年3月期の業績予想を減収減益に下方修正している。

一方、内需系の建設、電力を主力とする昭和電線HDの業績は、底堅い需要を背景に堅調に推移。銅の市況の影響で20年3月期売上高は4%減の1700億円だが、営業利益2割増、経常利益3割増を計画している。

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