TWOSTONE&Sons 【7352・グロース市場】

フリーエンジニアと企業繋ぐプラットフォーマー
事業戦略コンサル部門新設で一貫支援スタート

高原克弥氏と河端保志氏(現CEO)が学生時代に立ち上げた受託開発を祖業とする同社。20年7月に東証マザーズに上場を果たし、23年6月にはHD体制に移行し、社名をTWOSTONE&Sons(ツーストーンアンドサンズ)に変更。創業時は受託開発から始まったが、創業当初の想いであるエンジニアの価値向上を図るサービスとして、エンジニアの独立支援システムである「Midworks」に主力事業をシフト。既存事業の拡大と成長を図りながら、M&Aを実施することで事業領域を広げる。現在は、事業戦略コンサルティングなども手掛け、企業の開発案件における「上流」から「下流」までを担う。上場以来、増収増益を続け、24年8月期は売上高138億7900万円、営業利益2億200万円を見込む。
TWOSTONE&Sons-高原 克弥

高原 克弥(たかはら かつや)

COO

1991年生まれ。長野県出身。小学生よりプログラミングに触れwebサービスを複数運営。大学時代にスタートアップ3社でエンジニア・セールス・人事などを経験。大学在学中の2013年に株式会社Branding Engineer(旧社名)を創業し、代表取締役COOに就任(現任)。ITエンジニアファーストを掲げ、各種事業の立ち上げ等により成長を牽引する。

専門人材不足追い風に
売上高100億円突破

近年、国内ではエンジニアの争奪戦が繰り広げられている。エンジニアの有効求人倍率は10倍超が継続しており、情報サービス業における人手不足企業の割合は72・9%だ(帝国データバンク調べ)。企業のDX化や大手のIT予算増加に伴う需要増の流れを受け、2030年には最大79万人の供給不足が想定されている。エンジニアの賃金上昇に企業の給与体系が追いついておらず、社員よりも高報酬の傾向にあり年功序列に左右されない「フリーランス」へ流れるエンジニアが急増中。19年に17万人弱だったフリーランスエンジニアは、22年には27万人近くに達している。

そんな追い風を受け、TWOSTONE&Sonsの23年8月期売上高は、前期比46・4%増の100億円5600万円と13年の創業来初の100億円を突破。営業利益は同63・5%増の3億1900万円で、売上高以下全ての項目で過去最高を更新した。

売上の約9割を占めるのは「エンジニアプラットフォームサービス」。主力の「Midworks」では、フリーランスエンジニアと企業のマッチングを行っている。同サービスは国内最大級のエンジニアサービスで、1月末には登録ユーザーが4万人を突破。同社ではクライアントの案件ごとに、最適な人材を組み合わせてプロジェクトチームを編成し、準委任契約で紹介している。クライアントとしては開発フェーズに沿って必要なスキルを持つエンジニアを必要数だけスポットで契約し、柔軟に組織編制できる点がメリットだ。

「高いスキルを持つ人材ほど社員化が難しく、経験の浅い人材を採用し失敗する企業も多い。今後、既存の社員とフリーランスが垣根なくチームを組み開発を行う米国型の『内製化』が進んでいくと思われます。当社では事業戦略コンサルタント、ITコンサルタント、プロジェクトマネージャーなどの川上から、開発・運用工程、組織内製化まで一気通貫してクライアントを支援しています。それができる会社はほとんどありません。当社の強みであり、今後更に強化していきたい部分です」(高原克弥COO)

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