ファインケミカル領域と
印刷インキ領域の2本柱
同社は1896年、印刷インキメーカーとして創業。インキの原材料である顔料と樹脂からの一貫生産および合成、分散、成膜の加工技術を強みとし、その技術を生かして事業領域を拡大してきた。
現在のセグメントは、ファインケミカル領域(色材・機能材関連事業、ポリマー・塗加工関連事業)と印刷インキ領域(パッケージ関連事業、印刷・情報関連事業)を2本柱とする。
ファインケミカル領域は売上比率約5割、利益比率約7割を占める事業だ。市場シェアは、色材・機能材関連ではペットボトルのキャップ用着色剤1位、イメージセンサー用カラーレジスト2位、ポリマー・塗加工関連では缶用塗料1位、導電接着シート1位など高収益ニッチトップ製品を多数有する。
印刷インキ領域は祖業を引き継ぐ分野。印刷・情報関連は紙用の各種印刷インキなど、パッケージ関連では食品等のパッケージ向け印刷インキ及び機器などを取り扱う。
同社は2011年、旧社名の「東洋インキ製造」から「東洋インキSCホールディングス」に社名を変更し持株会社制に移行した。「SC」はスペシャリティケミカル(専門化学)を指す。祖業の印刷インキにとどまらず、専門的な化学分野に強い複合メーカーに進化する決意を込めている。
「元々は印刷インキを生業としてきた会社が、思い切り化学メーカーへシフトしようという大きな方向性を示しました。デジタル化が進む中、紙用の印刷インキは需要が減っていくのは明らかであり、専門化学メーカーへ、さらにはサイエンス(科学)カンパニーへと成長していく決意を表しています」(髙島悟社長)
有料会員限定
続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。