海外売上高比率が約6割
環境配慮型インキに強み
サカタインクスは、1896年に個人商店・阪田インキ製造所として、新聞インキの製造販売で創業した。現在グループは子会社26社、関連会社6社で構成。印刷インキ世界3位の総合インキメーカーとなる。
主事業は「印刷インキ」と「機能性材料」の2つ。売上のおよそ8割を占める「印刷インキ」事業は、新聞インキやオフセットインキなどの情報メディア向けインキと、食品パッケージ、段ボール、紙袋、飲料缶などに使われるフレキソインキ、グラビアインキ、メタルインキなどのパッケージ用インキの製造販売を手がける。同事業のセグメントは、日本・アジア・米州・欧州で構成され、海外売上高比率は約6割に及ぶ。特に缶インキはアメリカで9割を超え、世界ではNo.1シェアを誇る。
「機能性材料事業」は、インキ事業で培った樹脂合成技術や分散・加工技術を応用し、産業用インクジェットインキ、カラーフィルタ用顔料分散液、機能性コーティング剤を展開。印刷インキに次ぐ第二の柱として展開している。
同社の強みは、ボタニカルインキ、植物油インキ、ノンVOCインキ、水性フレキソインキ、ノントルエン・ノンMEKインキなど豊富な環境配慮型の製品群だ。1973年に環境部を設置し、早くから環境に優しく人体への影響がより少ない材料を使用した製品開発に注力してきた。2016年からは、植物由来成分をインキ固形分中に10%以上含有する「ボタニカルインキ」シリーズを自社ブランドとして展開する。二酸化炭素排出量削減にも貢献すると注目を集めており、現在は大手コンビニチェーンや食品メーカーのパッケージなどで採用。既に国内で展開するフィルムパッケージ用インキの約3割に使われている。
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