アイ・ピー・エス 【4390・プライム市場】

成長性高いフィリピン通信事業で業績急拡大
ニーズの増加を見据え大型投資で攻勢かける

アイ・ピー・エスは「フィリピン」と「通信」を鍵に、時代に合わせたビジネス展開で急成長している会社だ。祖業は海外人材の紹介だが、2012年から開始したフィリピン通信事業が伸長し、21年3月期は売上高が前期比46%増の95億円、営業利益率は20.2%と過去最高を更新した。同国の高い将来性を見据え、近年は海底ケーブルシステムを建設するなど精力的に投資している。
アイ・ピー・エス-宮下 幸治

宮下 幸治(みやした こうじ)

代表取締役

1965年2月生まれ、和歌山県出身。85年リクルート入社、91年アイ・ピー・エス設立、代表取締役就任。

フィリピン通信需要急増

アイ・ピー・エスは、年々重要性が高まる通信技術と、成長著しいフィリピン市場の2つをベースに、近年業績を急拡大させている。2021年3月期は、18年の東証マザーズ上場以来3年連続で過去最高の売上高95億円、営業利益19億円となった。22年3月期見通しは売上高が111億円、営業利益は24億円と、ともに前期比二桁増を予定する。

21年3月期売上高をセグメントで分けると、①海外通信事業が45%、②フィリピン国内通信事業が9%、③医療・美容事業が6%、④国内通信事業が39%となる。業績好調の主因は、セグメント売上が前期比3・4倍と躍進した①海外通信事業だ。

1991年に創業した同社は、過去に在留フィリピン人に対して国際電話のプリペイドカードやタガログ語新聞などを販売していた。そのノウハウを用いて、2010年頃から本土で事業を展開。12年に開始したのが、フィリピンのケーブルテレビ(CATV)事業者向けに国際通信回線を提供する海外通信事業である。CATV事業者は仕入れた回線を一般家庭に供給すると、各家庭で海外コンテンツが視聴できる。英語話者が多い同国では、米国エンタメなどの需要が多い。同社の参入は比較的後発ながら、既に首都マニラでCATV事業者全17社に提供するなど、シェアを年々高めている。

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