ZUU 【4387・グロース市場】

資産運用情報の発信サイトを運営
「金融業界のデジタル百貨店」を目指す

月間895万人が訪れる日本最大級の資産運用に関する総合プラットフォーム「ZUU online」などのメディアを展開するZUU。サイト運営のノウハウを活かし、金融機関などの販促・営業業務を支援するフィンテック化支援事業も好調だ。昨年末にはクラウドファンディング事業への進出も発表。同社が志向するのは、金融業における顧客獲得プロセスの代行だ。
ZUU-冨田 和成

冨田 和成(とみた かずまさ)

社長

神奈川県出身。一橋大学在学中にIT分野で起業。2006年大学卒業後、野村證券に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月にZUUを設立し代表取締役に就任。現在は複数のメディアにて連載を持つなど、本業とシナジーのある分野において金融専門家としての活動も行っている。

「ディストリビューション」に注目
顧客との情報格差を解消する

同社の事業は「メディア・サービス」と「フィンテック化支援サービス」の2つ。メディア・サービス事業は、ZUU online、FinTech online、DAILYANDSなど、金融に関する自社メディアを運営しており、月間訪問ユーザーは895万人を超える。2019年3月期の売上は4億8900万円(前年同期比45・9%増)と大きく伸びており、中でも大きく成長中なのがZUU onlineだ。

2013年にスタートしたZUUonlineは、一般ユーザー向けに資産運用やライフスタイルに役立つ情報を発信しているポータルサイト。月間に400万人が利用しており、国内の金融系ポータルサイトでは最大級となっている。

ユーザーが無料会員登録をし、ZUU online上のコンテンツを講読すると履歴データが残る。これによってZUU側では、ユーザ―の購買ニーズをタイムリーに把握することができる。これらのデータを元に、企業からの情報をユーザーに直接配信するターゲティング広告や、広告主企業への送客に対する成功報酬がZUU onlineの大きな収入となっている。

冨田和成社長は、以前勤務していた証券会社での体験からこの事業を立ち上げたという。毎日何十件もの見込み顧客に飛び込み営業をしているうち、金融業と顧客の情報の格差の大きさを実感したのがその理由だ。

「金融業では、実際にお金が動く“オペレーション”の部分ではなく、必要とする人に出会って、商品を説明し、買ってもらうための“ディストリビューション”の部分に莫大な時間とお金を費やしている。金融情報を関心ある人に伝える場所があり、そこでニーズが合うお客さんに出会えれば、ディストリビューションのコストは少なくて済む。そう考えて始めたのがZUU onlineです」(冨田和成社長)

2019年3月期からは、限定コンテンツを配信する有料会員サービスもスタートした。同社ではストック収入となる有料会員の獲得を成長投資と位置づけ、有料会員向け記事の充実や、スマホアプリによる有料会員獲得などの施策を強化していく。

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